1957年のオリジナル作品も、比較的最近見た。オリジナル作品では、劇中に登場する若者ふたりの殺人の動機が希薄で、映画じたいも、あまりおもしろいとおもわなかった。
リメイクではどこをどう修正していくのか、という関心はあったけれど・・・かなりむずかしいのではないかとも、おもう。
ふたりの主人公のひとり、男性(阿部寛)は、エレベーターのなかに閉じ込められてしまい、女性(吉瀬美智子)は、その男と連絡が不通になったため、横浜の夜の町を所在なくうろつくばかり。
つまりは、主演ふたりが、おもだった活躍をする場面がないという、ちょっとふしぎなサスペンス映画だ。
かわりに、ストーリーを動かすのが若い男女ふたりだが、これがオリジナル映画は場当たり的で、殺人の動機に、なっとくするようなものがない。
リメイクでは、彼らの殺人の動機に、もう少し説明をつけようとする苦心はかんじられるけれども、それでもとってつけたよう印象でしかない。
吉瀬美智子の美しさはきわだっていたが、それに比べると、映画の内容がものたりなかった。