かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

小林正樹監督『人間の條件 第一部・第二部』(1959年)

[rakuten:felista:13223567:image:right]


30年前に、五味川純平の原作を読み、強い衝撃を受けました。


映画もあるというので、図書館やレンタルビデオ屋さんをあちこち回って、やっと全6部作を見たことがあります。図書館でも、ビデオ屋さんでも、一ヶ所で全巻をそろえているところがなかったんですけど、いまはどうなのだろう?


ところが、今回「山田洋次監督が選ぶ100本」のなかで、この全6作品が一挙に放映される、というので、これは見逃せないとおもいました。



五味川純平の大作を、1本のダイジェスト映画にまとめたらつまらなかったとおもいますけど、小林正樹監督はまっこうから勝負していますね。


戦争映画というと、被害者意識を強調したものが多いのですが、『人間の條件』には、日本軍、日本人が、加害者であったことの視点がしっかり描かれていて、見ていて胸が痛くなりました。


日本人がひどい目にあったのも事実だけど、他国を侵略して、ひどい目にあわせたのも、忘れてはいけないんだと・・・。


第2部は、中国人捕虜を消耗品のように考える日本人と、捕虜も人間として扱おうとする梶との衝突が中心に描かれていました。


そして、第3部からは、いよいよ梶の過酷な軍隊生活がはじまる。