かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

デイミアン・チャゼル監督『セッション』を見る。


5月2日、歌舞伎町の「TOHOシネマズ新宿」へ、デイミアン・チャゼル監督の『セッション』を見にいく(11時30分からの回)。早めに着いたので、近くの回転寿司でビールを飲みながら朝飯。


ネットで予約してあったので座席の心配はなかったが、本編がはじまるころには、どんどん混んできた。8割〜9割の席が埋まっているようだ。名画座ではめずらしくないけれど、ロードショー館でこれほど混んでいるのを見るのは、ひさしぶり。映画の評判がいいのか?



予告編を見て注目していた。しかも主演はドラマー志望の青年だもの。ドラムという楽器には、ロックやジャズを聴く前から興味があったし。


ジャズ・ドラマー志望の青年と、鬼のような音楽教師との丁々発止のやりとりだけで、激動の2時間が過ぎる。そこには師弟愛だの愛のムチなどといった口当たりのいい意味づけは入る隙間がない。


スクリーンには、激しい怒号と侮蔑の言葉だけが飛び交い、口でたりないと物が投げられる。すでに異常だ。音楽教師は、リアリズムを超えて怪物と化している。


怒号を必死に耐え、ひたすらドラムを叩き続ける青年。


サスペンス映画を見ているような緊迫感が続き、先が読めない。予定調和が多いアメリカ映画で、こんなスリリングな作品もあるのか、と、うれしいおどろき。


最後に演奏される「キャラバン」は、音楽映画のラストシーンとしても最高だけれど、ドラマ的にもすごい昂揚感のエンディングへ導いてくれる。



鬼教師フレッチャーを演じたJ・K・シモンズは、もの凄い形相で、ぐんぐん観客を圧倒してくる。主演のアンドリュー・ニーマンを演じたマイルズ・テラーは、若き日のエルビスに似ているように見えたのは、わたしだけか。


早く家に帰って、ドラマーが中心のジャズCDを探してみよう。



『セッション』予告編↓
https://www.youtube.com/watch?v=dOHtzIdTO4E