かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

森絵都著『みかづき』を読む。


みかづき

みかづき


ネットか何かでおもしろいという情報を知って、電子書籍で読んでみる。三世代にわたる大河小説で、素材は教育というか塾経営者の話、となると重厚で硬い内容なのかと予想すると、とても読みやすい。スラスラ読める。地の説明がすくなくて、基本的に会話中心ですすめている。


わたしは、小学生の低学年に、先生ひとりだけののんびりした塾に1年くらい通ったことがあるけれど、それ以降、補修塾にも進学塾にもいったことがないので、塾へのとくべつな関心がなかった。それでも、テンポのいいストーリーに乗せられてドンドン読んでしまった。教育の最前線にいるような気分をたのしめる。


すごくおもしろかったけど、どちらかというと自然体の小説が好きなわたしには、ところどころでこの小説の技巧が気になった。ラストも、ぴったりキマっているけれど、キマりすぎていないだろうか。