かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

韓国映画『わたしたち』の少女に目が離せない!

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ユン・ガウン監督『わたしたち』。ジアとソン。




6月中旬、ツタヤから郵送で届くDVDで、ユン・ガウン監督『わたしたち』という韓国映画を見る。この作品がすばらしかった。




www.youtube.com







新鋭ユン・ガウン監督が、自身の経験をもとに、いじめやスクールカースト、家庭環境の格差など、現代社会が抱える問題を盛り込みながら、人生で初めて抱く友情や裏切り、嫉妬といった感情に戸惑い、葛藤しながら成長していく子どもたちの姿を描いたドラマ。


学校でいつもひとりぼっちだった11歳の小学生の少女ソンは、転校生のジアと親しくなり、友情を築いていくが、新学期になると2人の関係に変化が訪れる。また、共働きの両親を持つソンと、裕福だが問題を抱えるジアの家庭の事情の違いからも、2人は次第に疎遠になってしまう。ソンはジアとの関係を回復しようと努めるが、些細なことからジアの秘密をばらしてしまい……。2016年・第17回東京フィルメックスで上映され、観客賞などを受賞した。




(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/85794/



存在を無視するようないじめを受けたり、やっとできた転校生の友達に裏切られたり、11歳の少女が体験する悲しみを淡々と描いている。描写はドラマ性を抑えてリアル。




最初にドッチボールのシーンがある。


少女・ソンはボールをあてられてラインの外に出るが、その後ソンにボールを渡してくれるひとはいない。ラインのなかにもどれないソンは、目はボールを追いながら笑っている。


その笑いが存在を消されている少女の悲しみの表情だと、もう少し映画が進行してくるとわかる。


ジアという少女が転校してくる。ジアソンがいじめにあっているということを知らない。ふたりは、急速に親しくなる。


しかし、新学期がはじまると、ソンジアから無視されるようになる。ジアは、ソンをいじめる側の子たちと行動をともにする。ソンは傷つくが、ジアとの友情をとりもどしたいとおもっている。


こじれにこじれたソンジアの関係だけれど、お互いを慕う気持ちが完全に消えてはいなかった。



ソンを演じたチェ・スインが、すばらしい。ほとんど演技経験がないという。この繊細な演技は、演出の手腕なのか。チェ・スインのちいさな表情の変化から目が離せない。




妻は途中一度も台所へ立たなかったし、わたしのホッピーは、氷がすっかり融けていた(笑)。