日付けがもどる。
6月26日(土)、天気忘れた(笑)。
渋谷の「ユーロスペース」へ、横浜聡子監督・脚本の『いとみち』を見にいく。コーヒー屋さんで40分ほど休憩して映画館へ。
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弘前市の高校に通う16歳の相馬いと。三味線を弾く時に爪にできる溝「糸道(いとみち)」を名前の由来に持つ彼女は、祖母と亡き母から引き継いだ津軽三味線が特技だが、強い津軽弁と人見知りのせいで本当の自分を誰にも見せられずにいた。そんなある日、思い切って津軽メイド珈琲店でアルバイトを始めたことで、彼女の日常は大きく変わり始める。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/93606/
横浜聡子監督の映画『いとみち』は、2016年の『俳優・亀岡拓次』以来、5年目。
脇役専門の俳優を主人公にしたおかしな感覚がたのしくて、横浜聡子監督のファンになった。あとで読んだ戌井昭人(いぬい・あきと)の同名の原作もおもしろかった。
そのほか横浜聡子監督の過去作品で見たのは、2009年の『ウルトラミラクルストーリー』。主演は、麻生久美子と松山ケンイチ。麻生久美子の独特のなんというか、ふわっとした感じがよかった。
そういえば、横浜聡子監督の作品には麻生久美子のもっているふわっとしたふんいきがよく似合う。『俳優・亀岡拓次』でも、主人公・拓次が憧れる居酒屋のマドンナとして麻生久美子が出ている。やっぱりふわっとしていた。
余談ながら、横浜聡子監督は、麻生久美子と同い年で43歳。かなりの美人だ。
横浜聡子監督。
残念ながら今回の『いとみち』には、麻生久美子が出ていない。知っている俳優は主人公の父を演じた豊川悦司と脇役専門俳優・宇野祥平くらい。
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津軽弁のなまりがきつくて、強度の人見知り少女「いと」を駒井蓮という背の高い女優が演じていた。
「いと」は人見知りを治したくて「メイドカフェ」でアルバイトをする。しかし、彼女が客や先輩や同僚にいじめられたりしながら自分を成長させていく物語ではない。そうはならないところに横浜聡子監督の持ち味がある。
「メイドカフェ」のマスターも女の子たちも、一風変わっているが、新入りの「いと」に好意的。つらくあたるひとはいない。いやな客から「いと」をかばってくれたりする。
彼女はそういうまわりのやさしさに助けられて、人に対して心をひらいていく。
そういえば、横浜聡子監督の映画って、変わったひとはでてくるけど、悪人は出てこない。
それで映画になるの?
とおもうけれど、これがなる(笑)。最後は、「いと」の隠し持った才能、津軽三味線のライブで盛り上がる。
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映画を予約するときにずいぶん席が混んでいるな、とおもったら、映画の上映のあとで、舞台挨拶があった。
登壇したのは、横浜聡子監督、主演「いと」役の駒井蓮、幸子役の黒川芽衣の3人。
わたしは横浜聡子監督のファンなので、まぢかで見られるのではと期待したが、3人ともずっとマスクをしている。ちょっとのあいだとってほしかった。
写真撮影のときもマスクをはずさない。コロナを恨んだ(笑)。