かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

内田裕也さんが亡くなったんですね。

ビートルズが日本で人気が出た頃(1964年〜1966年)、ミュージシャン、文化人、学校の先生たちは、このバンドを忌み嫌いました。


ミュージシャンは「音楽的に最低」だといい、文化人は「集団狂気ではないか」といい、政治評論家は、「あんなものに神聖な武道館を使わせるのはけしからん」といいました。


学校は朝礼などで「ビートルズのコンサートに行ってはいけない!」と禁止令を出しました。


当時15歳から17歳だったころのわたしは、そのときの屈辱感が忘れられません。


でも、そんななかで、年上の世代でありながら、新しいロックの台頭を謙虚に受けとめていたのが、内田裕也さんであり、かまやつひろしさんでした。


彼らは、エルビス・プレスリーでロックンロールの洗礼を受けましたが、ビートルズローリング・ストーンズの登場を遮断せず、新しいロックにも心をひらいて受け入れた、数少ない上の世代のミュージシャンです。


わたしには才能がなく、プレイヤーにはなれませんでしたが、内田裕也さんの言動にはいつも親しみをいだいていました。共感していました。


『水のないプール』や『コミック雑誌なんかいらない』の映画出演も、独特のとんがった演技で、映画出演じたいが、彼のロック表現でした。


ジョン・レノンの追悼イベントで、ジョン・レノンのロックンロール・メドレー「 Rip It Up / Ready Teddy」がバックでかかっているなか、スピーチで登壇した内田裕也さんが、話をする前にいきなりいっしょに歌い出したとき、ほんとうにかっこよかった。まさに声がそろって、裕也さんは、ジョンとデュエットしていました。


ロックンロールに対しては、どこまで謙虚で、ロックの神様に愛されたひと。


わたしは、内田裕也さんの生き方を羨望しています。




追悼 内田裕也 - 朝日のあたる家(The House of the Rising Sun)