かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

クィーン+ポール・ロジャース『リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ』を聴く

いよいよクィーン+ポール・ロジャースのコンサートを10月26日(さいたまスーパー・アリーナ)に見てまいります。クラシックとロックが融合したような不思議なバンド、クィーンが、ホワイト・ブルースの代表的ヴォーカリストブレンドするとどうなるのか?

そもそも息子から、「今度クィーンにポール・ロジャースが入るみたいだね」といわれたとき、「まさか、そんなことはないだろ」とハナから信じませんでした。

「いや、でもそうみたいよ。おれも、ポール・ロジャースを他の人とまちがえないよ」と息子も、単なる「ポールちがいではない」ことを強調しました。

さっそく、ネットで調べると、これがウソのようなホントの話。ポール・ロジャース(ヴォーカル)と、クィーンのブライアン・メイ(ギター)、ロジャー・テイラー(ドラム)がチャリティーで共演したところ、あまりに感触がいいので、そのまま継続的なツアーをやることにまで話が発展した、というのです。

ブライアン・メイは、「ポールは、最初からフレディ(マーキュリー)にはなろうとしない男」、「フレディーは、ポールを敬愛していた。ポールとの共演ならよろこんでくれるだろう」‥‥と、ポール・ロジャースとの共演に、心をときめかしている。まるで、楽器を覚えたての新人が、新しいバンドをつくるようなわくわく感をおぼえているようです。

つまり異種格闘技のようなバンドができあがることになります。そして、それを何よりも、ブライアン・メイロジャー・テイラー、ポール・ロジャースの3人が喜んでいる。そこに、この降って沸いたようなプロジェクトのおもしろさと特殊性があるとおもいます。

といっても、ポール・ロジャースがクィーンに加入して、新生クィーンが誕生するというわけではありません。あくまでクィーンの二人に、ポール・ロジャースが共演するということで、ツアーの名義は、「クィーン+ポール・ロジャース」となります。そして、すでにはじまっているツアーは、懐疑的な気持ちでライヴ会場にやってきたクィーン・ファン、ポール・ロジャース・ファンに、おおむね好意的に迎えられているようです。

ファンというのは一種の閉鎖性をもっていて、クィーンのヴォーカルは、フレディー・マーキュリー以外認めない、という意見も依然根強くはありますでしょう。しかし、ツアーがすすむにつれて、段々反対の声が小さくなっているのは、彼らのライヴが、新しいプロジェクトとして成功しているからではないか、と期待しています。

ぼくは、どちらかというと、フリー、バッド・カンパニー、ファームと歩んできたポール・ロジャースのファンで、クィーンはベスト・アルバムしか聴いたことがありません。ですから、クィーンじたいの来日より、このプロジェクトそのものに関心をもっている、またちょっと変なファンでございます(笑)。


リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ(初回限定盤)
で、来日前に発売された新プロジェクトのクィーン・ライヴ・アルバム『リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ』(写真右)を聴いて、ライヴを予習しています。クィーンのナンバーをポール・ロジャースが歌うことの感想は、やっぱりクィーンを長年聴いてきたファンに教えていただきたい、とおもいますが、ポール・ロジャースのファンとして、フリー、バッド・カンパニー、の楽曲がクィーンで演奏されることについては、実際に聴いてみて、おもしろさ60%、違和感40%くらいでしょうか。ブライアン・メイのギターは、ブルース感覚ではないので違和感を覚えますが、それは彼の個性で、けっして「ブルースの弾きそこない」ではない、独自の魅力を感じています。

さてと、あとは10月26日、さいたまスーパー・アリーナへいって、自分の目と耳で楽しんでまいります。「ビートルズ探検隊」のメンバーも、遠方からやってくるひともいるらしいので、こんな機会に少しでも顔合わせをすることができたらいいな、とおもっています。