かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

鈴木清順監督「オペレッタ狸御殿」

オペレッタ狸御殿 プレミアム・エディション [DVD]
あの「ツゴイネルワイゼン」の……というか、もうただ鈴木清順といえば十分なのか、映像の魔術師の新作をやっと見ることができました。

今回は、歌と踊りと極彩色の舞台セットを駆使して、摩訶不思議な映像美が連続しています。これが80歳を超えるひとの感性かとおもうほど、艶やかな色彩と、騒々しいストーリーが展開していきます。

出演は、狸姫にチャン・ツィイー。なんの違和感も感じさせず、彼女は演技し、歌い、踊っています。カタコトの日本語と、中国語らしい(ぼくには、中国語と韓国語の区別がつかないので)外国語をしゃべりますが、字幕が出たり出なかったり、つまり狸であれば、わけのわからないことばをしゃべっても、それはそれでいいわけです(笑)。

狸姫が恋する美貌の青年は、オダギリ・ジョー。なるほど美青年ですが、オダギリ・ジョーは、「パッチギ」、「THE 有頂天ホテル」では、ふしぎ感覚の3枚目も演じる一筋縄ではいかない役者ですね。このキャラクターは、鈴木清順のふしぎワールドにはよくあっていました。

いいかわるいかではなく、これは映像美とユーモアの一場面一場面の連続を、観客がたのしめるか、無意味なバカ騒ぎだとおもうかで、評価が二分するような気がします。

今回は、DVD鑑賞だったのが残念。極彩色の絢爛豪華な映像は、映画館のスクリーンで見ていれば、さらに面白さが倍増したとおもいました。