かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

リチャード・エアー監督『あるスキャンダルの覚え書き』

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ベテラン歴史教師のバーバラは新任の若い美術教師シーバに親近感を覚えるが、シーバの教え子との不倫を知り……現代人が抱える孤独と強迫観念、嫉妬、妄想、自己欺瞞を2大女優が浮かび上がらせる、サスペンスフルな人間ドラマ!!


(「ギンレイ通信Vol.101」より)


美しい新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)は、彼女を慕う男子生徒との性愛に溺れる。15歳のストレートな欲望が彼女の理性を狂わせた。


それを厳格な歴史教師バーバラ(ジュディ・デンチ)に知られる。バーバラは、そのスキャンダルを学校や世間から秘密にするかわり、シーバをおもいのまま支配しようとする。



一見厳格なバーバラには、秘められた過去があり、それが次第に明らかになっていく。バーバラは、孤独な同性愛者だった。


老女バーバラを演じるジュディ・デンチが、少しずつ狂気の風貌を増してくる。シーバの秘密を握り、かすかに笑みを浮かべるバーバラが怖い。ジュディ・デンチは、小さな表情の変化で、心の動きを的確に表現できる名優だ。


スキャンダルの発覚を覚悟するか、バーバラの支配を受けるか、シーバは窮地に立たされる。


自身の欲望に翻弄されながら、スキャンダルの発覚にも怯えるシーバ。シーバを演じるケイト・ブランシェットが、追いつめられた女性の美しさを発散する。


2大女優の共演、見応えがありました。