かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

早稲田松竹の2本〜『映画と恋とウディ・アレン』『ブルージャスミン』。


9月29日、月曜日の朝。川越から東武東上線で池袋まで出て、山手線で高田馬場駅、下車。早稲田松竹へ、ウディ・アレン関連の映画2本立て、を見にいく。


少し時間が早かったので、「ドトール」でコーヒーを飲みながら、角田光代著『紙の月』を読む。次々大作を書いてすごいパワーのある作家だなあ、とおもう。


ストーリーのおもしろさにくわえて、テーマの深さもあるし、女性をとらえるユニークな視点と鋭さには、感心するばかり。



午前10時20分からロバート・B・ウィード監督『映画と恋とウディ・アレン』(2011年)を見る。



早稲田松竹のチラシには、こう書いてある。

ウディ・アレンのすべてについて教えましょう。これまで超秘密主義だった<生ける伝説>アレンの創作過程と人生を解き明かすドキュメンタリー! 


今だから語れる、撮影秘話やスキャンダルの裏側。アレンを愛してやまない、すべてのセレブリティ出演!


作品を通して以外、ウディ・アレンのことをほとんど知らなかったので、おもしろかった。女優とのロマンスもはじめて知ることばかり。


ギャグ作家として非凡な才能を発揮し、それを足がかりにしてコメディアンとして注目を浴びる。さらには、自ら出演するコメディ映画の監督として成功、挑戦的な彼は、その後シリアスな映画にも挑んで、高い評価を得る。


要するに非凡な才能のひとなんだな、となっとくする。才能あるひとだから、出演する女優たちも次々彼のことを好きになっていくのも、当然か。


知人にウディ・アレンによく似ているひとがいる。以前ひさしぶりにお酒を飲んだとき、「ウディ・アレンの若いときの映画を見たけど、やっぱり似てるね」といったら、「時々いわれるよ」と、本人も認めていた。


ただ、彼が女性からもてている、という話はきかない。



ウディ・アレン監督『ブルージャスミン』(2013年)は、ロードショーで見そびれていた作品。



セレブな生活を満喫していた女性が、夫の詐欺が発覚して、彼女は人生のどん底に落ちる。しかし、悲しいかな、すべてを失ってもこの主人公は、虚栄を求めて生きることしか頭にない。


どこまでいっても虚勢をはり続ける女性の、滑稽さと哀しみを滲ませて演じるケイト・ブランシェットは、やっぱりうまいな。


ボブ・ディランが「ライク・ア・ローリング・ストーン」で、セレブの生活から転落した主人公に、


<むかしは、みんなを笑ってた。でも、いまあんたは、ひとりっぼち。どんな気持ちだい? 誰にも相手にされず、帰る家もないってのは、さ。>(意訳です)


って、歌ったのを思い出す。



帰り、高田馬場の安い定食屋さんで秋刀魚の定食を食べながら、酎ハイ1杯だけを飲んで、アパートへ帰る。