かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

無宗教の葬儀(11月10日)


妻方の母の妹さんが、子宮癌の転移で亡くなった。73歳だった。


小柄な、きれいなひとで、わたしの子供たちに、七五三や、学校の入学など、行事があるたびに、美しい文字で書かれた手紙をそえて、お祝いを送ってくださったことが思い出される。


そのS子さんの葬儀へ、新横浜までいった。


無宗教の葬儀だった。祭壇の遺影は、質素に花に囲まれて、花輪のようなものは一切ない。本名のままで、戒名もない。


坊さんのお経のかわりに、静かな音楽が流れている。そのなかで、ひとりひとりが、焼香ではなく、献花した。


よくわからない県会議員や市会議員の出席はない。親戚と友人と近所のひとだけで、お別れをした。


喪主であるS子さんの夫は、痛みどめの処置はしても、ムリな延命はしない、と生前ふたりで話し合った、それで、最期はそのとおりにしました、きょうの葬儀の形式も、ふたりで決めました、と淡々と、挨拶された。


余分なものがない葬儀で、気持ちよかった。