なんと、この本で、戦死した竹内浩三のことが話題になっているというので、まずはそれから、、、
野上照代は、伊丹万作と交流があったんですね。それも家族ぐるみで親しく。
伊丹が亡くなってから、奥さんより伊丹宛に送ってきた竹内浩三の手紙をあずかってくれるよう頼まれ、保管していたようです。
ところが、野上照代は<生涯の悔い>と言っていますが、、、
その貴重な手紙は、野上照代が、離婚問題で家出をしたさいに、もとの家に置いたまま、戦災で焼かれてしまいました。
本人も悔いていますが、伊丹万作に宛てた、竹内浩三の手紙を読んでみたかったです。残念です。
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本全体は、日本映画の長い歴史にかかわってきた野上照代の<映画とっておきの話>といったものです。珍しい話がいろいろ出てきます。彼女は黒澤明との仕事が長いので、黒澤ファンが一番うれしい本かもしれません。
山田洋次監督『たそがれ清兵衛』の撮影現場の見学をした話も、撮影中の山田洋次監督の姿や、現場の空気が、生きいきと語られて、熱心に読みました。