かぶとむし日記

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アキ・カウリスマキ監督『街のあかり』(2006年)


街のあかり [DVD]

  • 製作国:フィンランド、ドイツ、フランス
  • 脚本:アキ・カウリスマキ
  • 出演:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤンヴェンヘルミ、カティ・オウティネン、マリア・ヘイスカネン、イルッカ・コイヴラ


人との交流を持たない、無表情の警備員が、謎の美女と知り合う。警備員は、彼女に夢中になるが、女には別な目的があった。


女の正体はギャングの情婦で、ギャングは、男が警備する宝石店の強盗を計画していた。


警備員を騙して、宝石強盗は大成功。


警備員は、自分が女にまんまと騙されたことを知るが、自分を騙した女のことを警察に話さない。どこまでも、女の存在を隠そうとする。


その結果、強盗の共犯に疑われ、警備員の仕事はクビ。ギャングからは、真相の口封じのためか、殺されかける。彼の人生は、下降がとまらない。


無表情な警備員の心のうちは見えにくい。しかし、裏切られたとわかっても、女を憎まない、この男の無償の愛が見えてくる。


彼の無償の愛は報われないように見えるが、最後に、慎ましくもあたたかいラストが用意されている。


この監督の厳しくてあたたかい、無表情でユーモラスなスタイルは、一度好きになると、クセになる(笑)。


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