かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

デイビッド・フランケル監督『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008年)


マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと (特別編) [DVD]

プラダを着た悪魔』のデイビッド・フランケル監督が贈る、泣いて笑って胸いっぱいのハートフル・コメディ!子育ての予行演習のために犬を飼うことにしたジョンとジェニーの新婚夫婦。ところが、マーリーと名付けられたラブラドールレトリバーの子犬は、手に負えないほどのおバカな犬で、一家はしょっちゅう大混乱になるのだが…。オーウェン・ウィルソンジェニファー・アニストンほか出演。


(「goo映画」解説から)


ひどいいたずらばかりしている<おバカ犬>に手を焼きながらも、その犬を手放さず、結婚と仕事に、懸命に生きていく夫婦の姿が描かれていく。


夫は、新たに新聞社を面接し、就職が決まったが、記者として大きな事件を取材するのではなく、あまり興味のもてないコラム欄を担当させられる。


「コラムなんて、何を書けばいいのか・・・」


迷いながらも、ラブラドールレトリバーに手を焼く自分たち夫婦の困惑をユーモラスに描くことで、彼のコラムは、人気を集めていく。



前半は、シツケの通用しない愛犬マーリーの乱行ぶりに、困惑する夫婦の姿が、ゆかいなエピソードを重ねて描かれる。


どうしようもない、駄犬を買ってしまった、ということがわかるが、この若い夫婦は、ついに、この犬を手放そうとしない。


犬の<おバカ>ぶりをことさら強調し、それに手を焼きながらも、愛情を注いでいく飼い主の愛・・・という、よくありがちなハートフルコメディを想像するし、実際に、おおわくはそうなのだけれど、この映画は、夫婦の生活が、きめ細かく描かれているので、「ああ、またその手の映画なのね」、という失望はなかった。



後半、悪いことばかりしていた愛犬マーリーが、年月とともに老い、2階までの階段を上りながら途中息切れし、居間で横たわる時間が長くなり、次第次第に弱っていく姿などはとてもリアルで、見ていて心が痛くなる。


飼い主と愛犬の、ありがちな<友情>を強調する映画よりも、一歩深い味わいがあった。