かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』を見る(4月3日)



朝早く、妻といっしょに川越を出て、池袋へ。9時20分から岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』(池袋HUMAXシネマズ)を見る。


岩井俊二監督、出演に黒木華綾野剛という布陣に期待して、見にいく。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は期待どおりにおもしろかった。


まずは主演の黒木華綾野剛がいい。黒木華という女優の繊細な演技がとても魅力的だ。つねに受け身で人を簡単に信じてしまう、ある意味困った無垢な女性を、黒木華だからリアルな存在にしているのではないか。なかなか代わりの女優を想像できない。


あやしい雰囲気をもった綾野剛の役は、やり過ぎたら、ただインチキ臭い男にしかみえないかもしれない。が、それを綾野剛が演じると、微妙なバランスで、インチキなのか善意なのか見ていてわからない男になる。そのまぜ具合が絶妙で、男の本意はどこにあるのかわからないまま、ずっと興味をつないでいく。綾野剛という俳優は、ちがった役柄でも、どれもみごとにこなすし、それぞれが魅力的なのに感心してしまう。


この映画を見て、このふたりの俳優がいっそう好きになった。


そのほか、黒木華と心を寄せ合う、真白(ましろ)という女性を演じたCoccoも、とてもインパクトがある。こういう女性を露悪的でなく、自然に描けるのが岩井俊二作品の魅力のひとつ。


どうなっていくのか先が読めない展開がおもしろい。いい映画を見た充実感をおぼえて映画館を出る。


公式サイト↓
http://rvw-bride.com



池袋で買い物をするという妻と別れ、東武東上線大山駅近くの立飲み「晩杯屋」へ寄ってアパートへ帰る。