かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ソウル・ディブ監督『フランス組曲』を見る(4月9日)



川越駅で妻と待ち合わせ、川越スカラ座で、10時30分からソウル・ディブ監督の『フランス組曲』を見る。


映画らしい映画を見た。


敵国のドイツ兵と、占領下におかれたフランス人女性の恋愛、という、ムリがありそうな状況を、でもそういうこともありえたかもしれない、となっとくできるような厚みのある描写で描ききっている。登場人物ひとりひとりの関係もわかりやすく、それぞれ役者もよかった。


ドイツ軍中尉ブルーノを演じたマティアス・スーナールツも寡黙でいい。厳しい軍律のなかで彼ができることは限られているが、それでもできるだけのことを愛する女性のためにやろうとする苦しい誠実さが伝わってくる。


そして、戦地に赴いた夫を待つ、若い妻リュシルを演じるミシェル・ウィリアムズの、可憐だけれど強い意志を感じさせる女性の美しさ。聡明な女性が、許されない恋愛に狂おしく走っていくその必死さに感動してしまう。


女優がいいと映画はたのしいのだ(笑)。


厳格な義母を演じたクリスティン・スコット・トーマスも、迫力がある。憎々しいこの姑の後半の動きが見どころ。


ロード・ショーで見逃していたが、川越スカラ座が、映画館で見る貴重な機会を与えてくれた。


公式サイト↓
http://francekumikyoku.com



映画館を出て、川越の古い洋食屋さんで昼飯。川越の洋服屋さんを見て歩きたいという妻とひとまず別れ(車を置いた市役所の駐車場で待ち合わせる)、しばらくひとりで川越の町をぶらぶら歩く。