かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

平柳敦子監督『オー・ルーシー』を見る(4月28日)。

4月28日、土曜日。


『オー・ルーシー』を見るため、新宿へいく。少し早く着いたので、向かい側の「ルノアール」で、辻田真佐谷憲著『大本営発表・改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』の読みかけを読む(電子書籍)。



大本営発表がデタラメな放送を流し続けたのは有名だけれど、どのような経過で、どう改竄・隠蔽・捏造されたのか、はじめて知る。まだ、半分くらいなところまでで、あとが長い。



12時30分から、「テアトル新宿」で、平柳敦子監督の『オー・ルーシー』を見る。



 「予告編」↓
https://www.youtube.com/watch?v=zmzQgIWLY2Y

近い将来やってくる「退職」と、いずれ訪れる「死」をただ待つだけの毎日を送る43歳の独身OL節子。ひょんなことから通うことになった英会話教室の授業で節子は、教室内では金髪のカツラをかぶり「ルーシー」というキャラになりきることを強いられた。アメリカ人講師ジョンによるこの風変わりな授業によって節子の眠っていた感情が解き放たれ、節子はジョンに恋をする。そんな幸せな時間も長くは続かず、ジョンは節子の姪の美花ともに日本を去ってしまう。


主人公の節子を寺島が演じ、南果歩忽那汐里役所広司らが出演するほか、「パール・ハーバー」「ブラックホーク・ダウン」のジョシュ・ハートネットが参加。


(「映画.com」から)
http://eiga.com/movie/86971/


おもしろかった。


寺島しのぶがうまい女優だというのは、いろいろな映画で知っていたつもりだけれど、この映画でもむずかしい女性の役を、リアルに演じきっている。寺島しのぶ以外のイメージがわかないほど、どんぴしゃ。


どうなっていくのかわからない展開も新鮮だし、寺島しのぶのルーシーと、南果歩が演じる姉・綾子の、ガサツな姉妹喧嘩が、たのしい。


中年女性たちが映画の中心なので、忽那汐里の若々しい美しさがひきたっていた。はおっていたものを一枚脱いで、ノースリーブで両肩を露わにしたとき、ドキっとした。健全な、なんでもないシーンだけれど、若い傲慢な性的優越が、中年のルーシーを圧倒する。演出の冴えかもしれない。長く記憶に残りそう作品。



帰り、「磯丸水産」でホッピーを飲んでアパートへ帰る。