かぶとむし日記

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中国・香港合作映画『西遊記 女人国の戦い』を見にいく(1月21日)。

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1月21日、月曜日。新宿武蔵野館へ、ソイ・チェン監督の『西遊記 女人国の戦い』を見にいく。



【映画 予告編】 西遊記 女人国の戦い

西遊記」を題材に、豪華キャストと最新のVFXで描いたアクションアドベンチャー「モンキー・マジック」のシリーズ第3作。天竺への旅を続けていた三蔵法師孫悟空猪八戒沙悟浄の4人が秘境の地で女性だけが住む女人国に迷い込む。


(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/90442/


シリーズものらしいけど、見たのはこれだけ。ちがう監督のものは以前見たことがあるけれど、このシリーズとはべつものらしい。いまもって、頻繁に映画化されているってことがわかる。わたしは「西遊記」の破天荒なものがたりが、小さい頃から好きだった。


西遊記」のおもしろさは、孫悟空の奔放な性格と、奇抜な妖術にある。悟空は、性格は乱暴で反抗的だが、究極的には正義感あふれるひと(猿)なのだ。


しかし、天界であまりに乱暴狼藉を働いたため、天帝から罰せられ五行山(ごぎょうざん)という山奥に隔離される。


それから500年後。


唐の三蔵法師というお坊さん(実在のひと)が、インドへ仏教の経典を授かりにいく、これを助け、無事経典を持ち帰ることができれば罪を許す、と天帝からいわれ、悟空は地上へ降りてくる。


天帝を困らせるほどの妖術を使う猿だから、力は破壊的に強い。彼の最大の武器は、伸縮自在の「如意棒」である。ちいさなときは、耳のなかにはいるほどちいさくなるし、使用するときは、目的によって自在に変化する。


天帝は、孫悟空がわがままをいいだし、三蔵法師を困らせたときのために、『緊箍児(きんこじ)』という輪を頭につける。彼が反抗的になったとき、この輪は悟空の頭を締めつけて苦しめる。これだけが、悟空の弱点である。


悟空は、三蔵法師を守りインドへ向かう。


この旅には、やはり天界で悪事を働いた猪八戒(ちょはっかい。豚の妖怪)と沙悟浄(さごじょう。河童の妖怪)が同伴する。彼らも、天界で罪人であった。


天帝は、このふたりにもお供を命じる。みごと大願成就を果たせば、罪を許すという条件は、悟空と同じだ。



こういった西遊記の基本的なものがたりは、中国では誰でも知っているからか、いちいち説明されない。この「女人国の戦い」も、三蔵法師一行が旅の途上、女性ばかりずらっと並んだ「女人国」へ迷い込むところからはじまる。


女人国の美しい女王と三蔵法師は、激しい恋に陥るが、女王は「女人国」を捨てることをためらい(彼女が去ると、みんなを見殺しにすることになるらしい)、三蔵法師も、インドへ経典を授かりにいく旅をここでやめるわけにはいかない。結末は悲恋でしかない。


ストーリーは、そういう単純なもの。あとは、悟空と女人国を滅ぼそうとする大魚の妖怪との激しい戦いがクライマックスになる。


孫悟空は、天界から地下、海のなかを自在に飛び回ることができる。それを可視化して見られるのが「西遊記」シリーズのおもしろいところ。アメリカ系アクションとはちがう幻想的な特撮映像をたのしむ。


[付記]
むかし読んだ本の記憶によれば、「女人の国」は、三蔵法師一行が、女性たちの誘惑に負け、悟空も猪八戒沙悟浄三蔵法師随行をやめてここで暮らそうか、という邪心のとりこになるはなしだったような気がする。


さすが功徳を積んだ三蔵法師だけは、お経を詠じて誘惑から逃れるが、お供の3人には、女性たちの魔力に勝てる意志の強さはない。


三蔵法師は、3人の随行者を失うことになってしまう・・・そういうスジ書きであったような気がする。


といっても、「西遊記」というものがたりは、孫悟空猪八戒沙悟浄は最後の天竺(インド)まで無事随行することになっているので、そのあと、なんらかの逆転があったはずだが、それを忘れてしまった。美しい女性たちは、ひとかわ剥くと、じつは何かの悪神が化けたものだったとか、そういう話だったかもしれない。


女人の国へはいったとなれば、男4人その色香に魅惑され、誘惑と闘う、という設定のほうが興味深い、とおもう。映画の「西遊記」は、アクション・アドベンチャーという体裁からか、そういう人間(?)の葛藤を描いたシーンはない。すごく単純化されていて、人間(?)ドラマとしては、おもしろくなかった。



帰りは、歌舞伎町の入り口付近にある立ち飲み「春田屋」へ寄ってホッピーを飲みながら、相澤冬樹著『安倍官邸 VS. NHK」を電子書籍で読む。本の後半は、彼が記者としてどのような取材方法をとってきたか、その具体的な記述がおおい。