かぶとむし日記

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吉田修一原作、瀬々敬久監督『楽園』を見る(10月19日)。

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日にちが少しさかのぼります。


10月19日、土曜日。


妻の運転で「ウニクス南古谷」へいき、吉田修一原作瀬々敬久(せぜ・たかひさ)監督『楽園』を見る。


原作は読んでないけど、吉田修一は好きな作家だし、出演者の綾野剛佐藤浩市、杉作花は好きだし、江本明が脇を固めている。俳優だけでも見る価値があるとおもって、地元の映画館へいく。






映画『楽園』本予告/綾野剛・杉咲花・佐藤浩市/衝撃のサスペンス大作



ある夏の日、青田に囲まれたY字路で少女誘拐事件が起こる。事件は解決されないまま、直前まで被害者と一緒にいた親友・紡は心に深い傷を負う。それから12年後、かつてと同じY字路で再び少女が行方不明になり、町営住宅で暮らす孤独な男・豪士が犯人として疑われる。追い詰められた豪士は街へと逃れ、そこである行動に出る。




(「映画.com」より)


吉田修一の『犯罪小説集』から2編がひとつの映画にまとめられている(らしい、未読なので)。


上記にあらすじを引用したけれども、これはそのうちの綾野剛が中心に事件が動く一編の方。


佐藤浩市が中心になるもう一編がそれにまじるが、わたしはムリにひとつにまとめなかったほうがスッキリしたとおもう。綾野剛の一編だけにしぼったほうがよくはなかっただろうか。


(帰宅後、原作を読んでみたいとおもい、電子書籍があったのでダウンロードした)



綾野剛、杉作花はいいし、はじめて見る片岡礼子というおとなの女優もよかった。


うれしかったのは佐藤浩市の亡くなった妻役に(回想シーンだけど)石橋静河が出ていたこと(やっぱりいい! 輝いている)。ポスターや出演者のなかには、表立って名前が出ていなかったので、おもいがけないオマケによろこぶ。


誰が少女を誘拐して殺したのか?


最後まで見たけれど、ハッキリしない。


是枝裕和監督『三度目の殺人』には、犯人の殺人行為があいまいなところに主眼があったけれど、『楽園』にはそうするだけのメリットは感じられない。


もうひとつ、佐藤浩市が死ぬシーン、長々と撮っているけれど、趣味がよくない。もっと余白をつかってほしい。この監督とわたしの趣向があわないのかもしれない。以前見た、瀬々敬久監督の『64ーロクヨン』前編はよかったけれど。


作り方によっては傑作になったかもしれない映画だったけど、わたしはいいとおもわなかった。