かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ジョージ・ハリスンと「バングラデッシュのコンサート」

ringoさんの「リンゴ日記」へのトラック・バックとしてアップします。

◆注ビートルズ探検隊」の投稿文をそのまま引用させていただきます。投稿のお相手は、ジュリマムさん=ringo-starrさんです。

ジュリマムさん、早速ジョージについての投稿ありがとうございます。

★ジュリマムさんバングラデシュ・コンサートのボーナス盤だけ見てみました。出演者が、インタビューに答えてるところは、全部興味のあることばかりでした。きっとみなさんは、ご存知のことかもしれませんが、私には、新鮮でとてもおもしろかったです

☆smoky(beatle001):出演者がインタビューに答えているのは、今回はじめて公開されるのですから、どなたも海賊版でも見ていない限りご覧になっていないでしょう。少なくも、ぼくははじめて拝見します。新鮮なはずです(笑)。

★ジュリマムさん:ギタリストが不足していたため、ジョージがとても苦労したお話は、特に、興味深かったです。ML(メーリングリスト)でも話題になったことなどが、ちゃんと事実として出てきたのですから、感激です。

☆smoky:そういう背景もあって、ジェシエドデイビスの証言ともつながってくるわけですね。

★ジュリマムさん:リンゴが出てきた時は、鼻の奥のほうがツーンとしてきました(笑)。

☆beatle001ジョージには、コンサート開催までに時間がありませんでした。彼は、親しい友人すべてに自ら電話して、出演を打診しました。どんなコンサートになるか、青写真どころか、まったく白紙の状態だったとおもいます。誰が出てくれるのか、ジョージ自身にも想像がつかない‥‥。

ジョージがよびかけたとき、リンゴは、いろいろな状況をさしおいても、このジョージのプロジェクトに協力しました。リンゴは、コンサートへの出演を他の予定よりも当然のように優先しました。

ビートルズ解散でやや消沈していたビートルズ・ファンにとって、ジョージとリンゴがステージに一緒にいるライヴがどんなに貴重におもえたことでしょうか。1966年以来、ビートルズのライヴは中止されていましたから‥‥。

ジョージがギターをもって歌い、リンゴがドラムを叩く、そういうシーンを見るだけで、この映画はどうしようもないくらい感動的でした。

ジョンは、最初は出演の意思があったけれど、ヨーコの歌う出番をジョージが用意してない、とかで、結局出演をやめた、とかいいます。しかし、それが事実かどうかわかりません。

ジョージは、ヨーコにまで単独で割り当てる時間はなかった、構成が決定してから参加したエリックですら、1曲もヴォーカルをとっていない、と、このことについては応えています。

ポールは、またすぐに4人そろったら「ビートルズが再結成する」と誤解される、それで断ったそうですね。この時期ならポールのおもいは、ごく自然なことだとおもいます。

そういう事情から「バングラ・デッシュのコンサート」は、2/4ビートルズの出演になりました。しかし、当時のわたしは、これがうれしかったのです。解散後もっとも好きだった『オール・シングス・マスト・パス』をジョージが歌う、これを少しも削ってほしくなかったからです。ジョンやポールが登場すれば、きっとジョージは時間を彼らに大幅に割いたでしょう。

でも、このときのぼくはジョージとリンゴの共演、ボブ・ディランの登場(もう1つの最大の見せ場)、エリック・クラプトンの颯爽とした姿(病み上がりだったとしてもね)、これだけでも、十二分以上の感動でした。

有楽町スバル座に何回通ったかなあ。当時、仲の良かった女性がいて、デートに誘って「バングラ・デッシュのコンサート」を見にいった。もちろん、行くと当然のように2回見ますね(笑)。

彼女は、ぼくがいつもビートルズやロックの話をしていると、それを「うん、うん」といって、聞いてくれました。ですから、ぼくは、彼女もロックが好きだとおもっていました。しかし、彼女は、特別ビートルズもロックも好きではなかった、とあとでわかりました。ぼくの勝手な思い込みでした。

次回、また映画に誘ったとき、「バングラデッシュ、ならもういい」と断られました(笑)。当然だけど、いま考えればね(笑)。

それからも、大体一人で、もしくは、ぼくがさかんに口宣伝するので「じゃあ、見たいな」というひとと一緒に、4回、5回と有楽町スバル座に通いました。

ともかく、この映画、好きで好きでしかたがなかったんです。

★ジュリマムさん:もちろん、ジョージもたくさん出てきました。本編も楽しみです。

☆smoky:単純に、最高のライヴ映画でもありますね。しかも、出演者は、チャリティーの趣旨に共感したというより、ジョージという人間への親愛感、ジョージへの友情で成立したコンサート、という側面が強く、そこがまた「ライヴ・エイド」や「ライヴ・8」とも違いますね。

ジョージは、「なぜこのようなコンサートを企画したか」と質問されて、「友達(ラヴ・シャンカール)から頼まれたからです」と、ストレートに応えています。

ジョージ自身もまた、ラヴ・シャンカールへの友情から、「バングラ・デッシュのコンサート」を企画しました。

つまり「バングラ・デッシュのコンサート」は、チャリティではありましたが、中身は「友情で成立した」個人的なコンサートでもあったわけです。

★ジュリマムさん:未発表パフォーマンスの「ラブ・マイナス・ゼロ」ではボブ・ディランは、ハモニカを探してるのでしょうかポケットをあちこち探していました。

☆smoky:「バングラ・デッシュのコンサート」がガッシリ企画されたものではなくて、短期間のうちに、急いで実現化された素人の初々しいコンサートだった、そのことが当時ぼくには説明できなくても、すごい魅力でした。彼らは、ほとんど十分なリハーサルもなく、ここに集まり「共演」したのです。ディランが、1曲ごとに、キーにあったハーモニカを探すのはいかにもディランらしくて笑ってしまいますけど、「バングラ・デッシュのコンサート」全体をも象徴しているような気がします。