かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

マキノ雅彦監督「寝ずの番」


マキノ雅彦監督第1回監督作品。マキノ雅彦とは、祖父のマキノ省三の名を襲名した俳優津川雅彦のことだそうです。

上方では、女性性器を隠語で「おそそ」というそうですね。いきなり何をいうかとおもわれるでしょうが、これは映画「寝ずの番」のお話です(笑)。その「おそそ」が映画全編に乱発・乱舞する日本初(?)の艶笑映画でございます。

中井貴一が、岸辺一徳が、富司純子が、木村佳乃が、猥談・春歌&「おそそ」を連発します。隠語をどこまで白日のもとに晒すことができるのか、マキノ雅彦の挑戦かもしれません。

映画の舞台は、咄家の3つの「お通夜」です。まともな通夜ではありません。猥談で盛り上がり、あげくは、死者のカンカン踊りやら、三味線を弾きながらの春歌合戦など、いままで映画になりそうになかった素材がストレートに描かれるので、ちょっとあっけにとられます。

そうした新鮮なネライが十分伝わってくる作品ですが、なぜか映画の中の登場人物が爆笑するほど、ぼくは笑えませんでした。出演者たちは画面のなかで大いに笑ったり泣いたりしますが、観客の笑いは散発的で、映画館全体が大爆笑にゆれるというところはなかったようにおもいます。

封切られたばかりの作品なので、詳細なストーリーについては触れません。みなさんの感想をお聞きしたいとおもいます。