かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

こうの史代著『夕凪の街 桜の国』


夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)
shiropさん、オリーブマニアさん、お薦めいただいた原作のマンガを読みました。


映画とあまり印象が変わらないので、映画は原作のよさを生かしているなあ、という感じがしました。


こうの史代さんは、「わたしは広島市に生まれ育ちはしたけれど、被爆者でも被爆二世でもありません」と、単行本の「あとがき」に書いていますけど、1968年生まれの若い方なんですね。


そういうこともあって、被爆体験の目をそむけたくなるような凄惨さが薄く、読みやすいのかな、とおもいました。


わたしは、これだけでは、情緒に流れすぎて、甘すぎる、ともおもいました。


原爆を扱った作品として、「はだしのゲン」や「黒い雨」や「夏の花」には較べられません。でも、若いひとたちの、この問題(テーマ)へのはいりやすさとしては、群をぬいているとも感じました。


困難な問題へ、自分の目線ではいっていける作品です。


とにかく、原作も、すばらしい作品であることになっとくしました。