■滝田洋二郎監督『おくりびと』(上映中)
12時30分より、浦和で『おくりびと』を見る。前から見たかったのに見そびれていて、そろそろロード・ショーも終わってしまうのではないか、とあわてて見にいった。
予想していた通りの優れた作品。時々笑わせながら、終盤は、自然に涙がこぼれた。監督の手中にみごとはめられてしまったが、悪い気はしない。
人の死、葬儀につきまとう、厳粛で、悲しく、なぜかちょっと可笑しい、ふしぎな感覚を、味わう。この感覚を以前味わったのは、伊丹十三監督の『お葬式』だった。
本木雅弘、山崎努が素晴らしい。なので、唯一、広末涼子のぶりっ子演技が気になってしまった。
■ザ・フー(The WHO)のコンサートへ
映画を見て、食事してから、新都心へ移動。
少し時間があったので、「ジョン・レノン・ミュージアム」のショップをのぞいてから、会場の「さいたまスーパー・アリーナ」へいく。
いよいよ、ザ・フーと4年ぶりの再会。時間どおり、5時にはじまる。
オープニングは「Can't Explain」。ニュー・アルバムからの新曲もまじえ、往年のヒット曲はしっかりおさえた、コンサートの構成。ステージは、演奏中心で派手なしかけは、なにもない。
かつて売り物だったフーの野性味はさすがに感じない。往年のヒット曲を演奏しても、なにか親愛感のようなものを感じてしまう。しかし、それは悪い気持ちではなく、フーの音楽が、長い年月で成熟・発酵して、そこから自然に滲みでるようなあたたかさ、ではないか、とおもう。
演奏は素晴らしい。一時期のライヴ・アルバムを聴くと、「これがあのフー?」というような活力を失った寂しさがあったが、いまは、それが全然ない。フーは、完全によみがえっている。おどろくほど力強い。
それから、ぼくは、ザック・スターキーを、
「父リンゴ・スターの的確に楽曲を活性化させる鋭さと、キース・ムーンの破れ太鼓のような奔放さを併せ持った素晴らしいドラマー」と以前に書いたけど、違うとおもった。
むかし、ザックは、キース・ムーンのドラムの大ファンだ、と何かで読んだ。けど、こうして聴くと、ザックの、おかずを極力おさえた、堅実で、的確なドラミングは、キース・ムーンではなく、完全に父リンゴ・スターゆずりのものだ。
フーの音楽だから、もっと連打してもいいのではないか、とおもうくらいザックは抑えている。
しかし、その抑えていたものが、ツボにはいったところで、突然溢れるように打ち出されたときの、リズムと音色の美しさに惚れ惚れしてしまう。
ぼくはザ・フーのアルバムを全部は聴いていないので、タイトルを特定できない曲がいくつかある。公演ごとのソングリストの発表を待ちたい。
【追記】
☆ふらんぼうさんのおかげで、この日のセットリストがわかりました。以下にあげておきます。
16th November, 2008
THE WHO AT SAITAMA SUPER ARENA
- Can't Explain
- The Seeker
- Anyway Anyhow Anywhere
- Fragments
- Who Are You
- Behind Blue Eyes
- Relay
- Sister Disco
- Baba O'Reily
- Eminence Front
- 5:15
- Love Reign O'er Me
- My Generation
- Won't Get Fooled Again
☆Encore:
- Pinball Wizard
- Amazing Journey
- Sparks
- See Mee Feel Me
- Tea and Theatre
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以上、こちらのサイトからの転載です。