かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

[日本映画」[音楽]映画とライヴで過した1日(11月16日)

滝田洋二郎監督『おくりびと』(上映中)


12時30分より、浦和で『おくりびと』を見る。前から見たかったのに見そびれていて、そろそろロード・ショーも終わってしまうのではないか、とあわてて見にいった。


予想していた通りの優れた作品。時々笑わせながら、終盤は、自然に涙がこぼれた。監督の手中にみごとはめられてしまったが、悪い気はしない。


人の死、葬儀につきまとう、厳粛で、悲しく、なぜかちょっと可笑しい、ふしぎな感覚を、味わう。この感覚を以前味わったのは、伊丹十三監督の『お葬式』だった。


本木雅弘山崎努が素晴らしい。なので、唯一、広末涼子のぶりっ子演技が気になってしまった。


納棺の荘厳な儀式は、映画のみせどころ。本木雅弘山崎努の訓練された手際の美しさに、見入ってしまう。





ザ・フーThe WHO)のコンサートへ


映画を見て、食事してから、新都心へ移動。


少し時間があったので、「ジョン・レノンミュージアム」のショップをのぞいてから、会場の「さいたまスーパー・アリーナ」へいく。


いよいよ、ザ・フーと4年ぶりの再会。時間どおり、5時にはじまる。


オープニングは「Can't Explain」。ニュー・アルバムからの新曲もまじえ、往年のヒット曲はしっかりおさえた、コンサートの構成。ステージは、演奏中心で派手なしかけは、なにもない。


かつて売り物だったフーの野性味はさすがに感じない。往年のヒット曲を演奏しても、なにか親愛感のようなものを感じてしまう。しかし、それは悪い気持ちではなく、フーの音楽が、長い年月で成熟・発酵して、そこから自然に滲みでるようなあたたかさ、ではないか、とおもう。


演奏は素晴らしい。一時期のライヴ・アルバムを聴くと、「これがあのフー?」というような活力を失った寂しさがあったが、いまは、それが全然ない。フーは、完全によみがえっている。おどろくほど力強い。


それから、ぼくは、ザック・スターキーを、
「父リンゴ・スターの的確に楽曲を活性化させる鋭さと、キース・ムーンの破れ太鼓のような奔放さを併せ持った素晴らしいドラマー」と以前に書いたけど、違うとおもった。


むかし、ザックは、キース・ムーンのドラムの大ファンだ、と何かで読んだ。けど、こうして聴くと、ザックの、おかずを極力おさえた、堅実で、的確なドラミングは、キース・ムーンではなく、完全に父リンゴ・スターゆずりのものだ。


フーの音楽だから、もっと連打してもいいのではないか、とおもうくらいザックは抑えている。


しかし、その抑えていたものが、ツボにはいったところで、突然溢れるように打ち出されたときの、リズムと音色の美しさに惚れ惚れしてしまう。


ぼくはザ・フーのアルバムを全部は聴いていないので、タイトルを特定できない曲がいくつかある。公演ごとのソングリストの発表を待ちたい。


【追記】
☆ふらんぼうさんのおかげで、この日のセットリストがわかりました。以下にあげておきます。

16th November, 2008
THE WHO AT SAITAMA SUPER ARENA

  • Can't Explain
  • The Seeker
  • Anyway Anyhow Anywhere
  • Fragments
  • Who Are You
  • Behind Blue Eyes
  • Relay
  • Sister Disco
  • Baba O'Reily
  • Eminence Front
  • 5:15
  • Love Reign O'er Me
  • My Generation
  • Won't Get Fooled Again


☆Encore:

  • Pinball Wizard
  • Amazing Journey
  • Sparks
  • See Mee Feel Me
  • Tea and Theatre



以上、こちらのサイトからの転載です。