かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ジョージ・キューカー監督『ガス燈』(1944年)

ガス燈 [DVD] FRT-068

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19世紀の霧に包まれたロンドン。


シャーロック・ホームズは、こんな街にいたのだろうか、とおもったり、夏目漱石が留学したロンドンは、このようであったのだろうか、と想像したり、ガス燈に煙る街の風景は、興趣をそそりました。


でも、本編の内容となると、どうも寒々しい気がしてしまいます。


一番の欠陥は、どうみても夫が最初から怪しいので、早々とシラケてしまいます。だから、自分が精神病なのか、と悩むイングリット・バーグマンに同情できないんですね。バーグマンが、夫の見え透いた嘘をみぬけないので、イライラします(笑)。


カサブランカ』のバーグマンがあまりにも美しいので、その流れから、彼女の出演している『ガス燈』も、少なくも過去2回以上は見ているのに、内容が記憶から消えています。


それがふしぎでしたが、今回自分がちっともこの映画をおもしろく感じてないからだ、とへんな納得をしてしまいました。