こう連日暑いと、なかなか散歩へ出かける気になれない。それで、どこか出かけるとなると、やっぱり映画館へ気持ちがいってしまう。
こんかいは、早稲田松竹の2本立てに興味がわいた。
ペドロ・アルモドバル監督『私が、生きる肌』と、スティーヴ・マックィーン監督『SHAME -シェイム-』。
暑いので、100円ショップで買った帽子をかぶって出かける。手にもったタオルでしきりに汗を拭く。
高田馬場駅で降りるのは、ひさしぶりだ。
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ペドロ・アルモドバル監督『私が、生きる肌』(2011年、スペイン)
- 出版社/メーカー: 松竹
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天才的な形成外科医ロベルは、画期的な人工皮膚の開発に没頭していた。彼が夢見るのは、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救えるはずだった“完璧な肌”を創造すること。
あらゆる良心の呵責を失ったロベルは、監禁した“ある人物”を実験台にして開発中の人工皮膚を移植し、今は亡き妻そっくりの美女を創り上げていくのだった…。
(「早稲田松竹」のサイトから)
形成外科医が、自分の娘をレイプした青年を監禁し、焼死した妻そっくりの美女につくりかえていく、という話だけれど、皮膚に刃物をあてられているようなヒリヒリ感覚がつきまとう。
人工の美女を演じるのは、エレナ・アナヤ。肌にぴったりで、全裸とまちがいそうな肌色のボディ・ストッキングをまとっている。エレナ・アナヤの、のびやかな美しい肢体を大きなスクリーンで見るのも、魅惑的だ。
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スティーヴ・マックィーン監督『SHAME -シェイム-』(2011年、イギリス)。
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男は、自分のマンションに女を呼ぶ。金を払って、これからセックスをするところだ。男は、電車に乗っている。向かいの席の若い女を視線で誘っている。会社から帰宅した男は、パソコンでアダルトサイトを見ている。別の日、男は真夜中の空き地でセックスをしている。相手はバーで出会った行きずりの女だ。そう、この男は、仕事以外の時間のすべてをセックスに費やしている。
(「早稲田松竹」のサイトから)
主人公の名前は、ブライトン。仕事以外の関心は、セックスのことだけ。容姿も悪くないから、女にモテる。バーにいけば、女が関心を寄せてくるし、電車に乗れば、女と目があって、互いに意識しあう。つまり、ブライトンは女性に不自由をしていない。
それでも、ブライトンは、しばしば女性をお金で買うし、ネットをひらいてはセックス動画を漁る。頭の中がセックスでいっぱいなのだ。
こういう人物を設定して映画をつくることじたい、すごいなあ、というおどろきがある。生活の陰の部分を公開されたような、驚きと眩しさがある。
ブライトンのセックスライフは、バランスを保っているようだったが、そこへ妹のシシーが突然やってくるところから、ストーリーが動く。
感情をむき出しにして生きる妹のシシーが、ブライトンの生活に変化を起こしていく・・・あとは、あまり説明するのはやめよう(笑)。
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映画館を出ても、外はガンガンに照っている。暑いけど、飲み屋探しで、高田馬場周辺を歩いた。
早稲田松竹から駅までもどって、「さかえ通り」を歩く。ここは飲み屋が多いが、さすがに昼の3時にあいているお店はないかな・・・とおもっていたら、「飲み放題、1時間980円」という看板をみつけた。こういう発見は、うれしい!
外からガラス越しに、カウンターが見える。ひとりでもはいりやすそうだ。さっそくはいって「飲み放題、1時間980円」を注文した。
カウンターで酎ハイを飲みながら、買ったばかりの文藝春秋をひらき、芥川賞をとった「冥土めぐり」を読む。至福の時間である(笑)。