かぶとむし日記

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ザ・ニューナンバー2『ザ・フィアー・オブ・ミッシング・アウト』


Thefearofmissingout

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ジョージ・ハリスンの息子さん、ダニー・ハリスン率いる「ザ・ニューナンバー2」のアルバム第2作。


現代のロックやポップサウンドを知らないので、そのなかで、このアルバムがどんな位置に置かれるのかわからないけど、古いビートルズ・ファンのわたしには、意欲的な音楽に聴こえる。


アルバムをかけて突然聴こえてくるのは、エレクトロニクス・サウンドであり、わかる範囲の比較で言えば、ジョージ・ハリスンが「生の音」、「木製の音」を意識したトラベリング・ウィルベリーズの対極にあるサウンドのようにもおもえてしまう。


しかし、ジョージ最期の作品になった「ホース・トゥ・ザ・ウォーター」で共演し、遺作『ブレインウォッシュド』で、残されたジョージのテープにコーラスを補強し、ジェフ・リンのプロデュースに協力したダニー・ハリスンの作品が、「生の音」とは、対極の実験的なサウンドを志向しているのは、興味深い。


そういえば、ジョージもビートルズ時代「イッツ・オール・トゥ・マッチ」や「オンリー・ア・ノーザンソング」のような実験的な楽曲を作っているし、ソロとしてもシンセを駆使した『不思議の壁』や『電子音楽の世界』を発表している。


ただ古いわたしのようなビートルズ・ファンは、エレクトロニクス・サウンドのなかから聴こえてくるジョージによく似たダニー・ハリスンの声に、おもわず耳をそばだててしまう。



●アルバムのなかでは、電子音楽的な色彩が強くない曲