日にちは忘れたが、1週間くらい前、「イオン板橋」で、ウッディ・アレン監督、ホアキン・フェニックス主演の『教授のおかしな妄想殺人』を見た。
人生に無気力で、死の願望にとりつかれた哲学教授が、市民を苦しめる悪徳判事を殺害する計画を立てることで、生きがいを見つける。殺害は周到に実施され、成功したかのようにみえたが・・・。
ウッディ・アレンの軽妙なブラック・コメディ。殺人が出てきても、深刻にはならない。ひとりの悪人を殺害することで、そのひとから苦しめられている大勢の人が救われるとしたら、その殺人行為は「正義」ではないか、という命題を哲学教授(ホアキン・フェニックス)が実践。これって、むかし読んだドストエフスキーの『罪と罰』のラスコーリニコフの命題と同じではないか、と古い記憶をよみがえらせたりしながら見る。
教授に恋する女子大学生にエマ・ストーン(可愛い)。彼女は教授の深い思索と複雑な人間性に惹かれていくが、彼女の健康な正義感は、教授の哲学的「正義の行為=殺人」を容認することができなくて、ふたりのあいだに衝突が起こってしまう・・・というストーリー。
ひさしぶりに見るホアキン・フェニックスのお腹がちょっと出ていて、なんだかよかった。可愛い女子大生を夢中にする哲学教授が、とびきりのハンサムよりも、ちょっとお腹の出た中年男性っていうのも、リアリティがあるし、たのしい。
ウッディ・アレンの映画は、作品ごとに独特の人生観が展開するので、やっぱり見たくなる。
『教授おかしな妄想殺人』予告篇↓
https://www.youtube.com/watch?v=6zrdrjhJAsU