かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

廣木隆一監督、有村架純主演『夏美のホタル』を見る(6月17日)。



イオン板橋で、有村架純主演の『夏美のホタル』を見る。


写真学校へ通う夏美(有村架純)は、夏休みを利用して、閑散としたその村へ、ホタルの写真を撮りにくる。まだ幼いころ、父といっしょにやってきた想い出の場所だった。でも、年月が経って環境が変化したのか、夜になってもホタルは出てこない。


翌日、食べ物を買いにいった雑貨屋「たけ屋」で、夏美は地蔵さんと呼ばれる初老の恵三(光石研)と、その母・ヤスエ(吉行和子)と親しくなる。その夜から、森のなかでテントを張ることをやめ、「たけ屋」へ泊めてもらうことにする。


夏の田舎に、のんびりした時間が流れる。夏美の恋人・慎吾(工藤阿須加)も、夏美を追ってこの村へやってくる。「たけ屋」へ時折やってくる無愛想な仏師(小林薫)も含めての交流のなかで、夏美と恋人の慎吾は、これからの進路とふたりの関係を考えていく。


ストーリーは、後半になって動くけれど、それよりも、この映画の魅力は、背景になっているのんびりした村の空気感。村に住むひとたちも、ゆったりしている。千葉の南房総あたりが舞台らしい。夏美を追って東京からやってきた慎吾が降りるのは、小湊鉄道無人駅「月崎駅(つきざき・えき)」。昨年秋、知人夫妻と小湊鉄道の旅をしたばかりなので、懐かしい。


主人公夏美を演じる有村架純は、まっすぐに何かを見つめる目が美しい。演技も自然体で、親近感をおぼえる。ヅケヅケ人のいやがることをいう仏師(小林薫)に、正面からくってかかるのも、純粋な若い女性らしくて好ましい。おとなの適当なかわし方をまだ身につけていないのだろう。


『夏美のホタル』予告篇↓
https://www.youtube.com/watch?v=XG_0z_isQSA



こんな村へ何日か滞在してみたいけれど、居酒屋はあるのだろうか?