かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

炎暑の鎌倉を歩く(1日目)。

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円覚寺アジサイ


6月24日、日曜日。


自宅から川越駅まで15分ほど歩く。午前9時頃の東武東上線に乗って池袋。池袋から湘南新宿ラインで鎌倉へ向かう。1泊の予定。


天気予報では、日曜日は雨マークが着いていたが、朝の予報では、すごく暑い天気になると、変わっていた。バックに用意していた折たたみの傘を家に置いて出かける。


午前11時頃に北鎌倉へ着く。ここから出発。今回はまだアジサイが咲いていればいいな、というくらいで行き場所もそれほど特定していない。雨ならそれほど歩けないかもしれない、とも予想していたので。


円覚寺へ寄る。人がけっこう出ている。円覚寺の山門をくぐる。


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円覚寺漱石が参禅したところでもある。作品としては、その経験が『門』のなかに描かれている。


漱石は、円覚寺の山門をくぐったときの印象を以下のように書いている。以前この日記にも引用したことがあるけれど、もう一度あげておこう。

山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空を遮っているために、路が急に暗くなった。その陰気な空気に触れた時、宗助は世の中と寺の中との区別を急に覚った。静かな境内の入口に立った彼は、始めて風邪を意識する場合に似た一種の悪寒を催した。

彼はまず真直に歩るき出した。左右にも行手にも、堂のようなものや、院のようなものがちょいちょい見えた。けれども人の出入りはいっさいなかった。ことごとく寂寞として錆び果てていた。


参拝客というか観光客の多いこの日は、こんな静寂な空気はない。池のなか、岩のうえで、亀が甲羅をほしていた。


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境内の奥まで歩く。ところどころで、アジサイが咲いている。


そのうちに、空が暗くなって雨が降り出した。建物の庇のあるところで雨宿りしながら、折畳みの傘を置いてきたことを後悔した。でも、これは通り雨で、すぐにやんだ。そして、空は急に晴れて、こんどは、からだを焼くような暑さになってきた。


小津安二郎の墓へ寄ることにする。前回、小津安二郎の墓へ寄ったときは、案内板が出ていたので、簡単に目的地へ着いた。それがあったので、気軽に考えていたが、今回はその案内板がない。タブレットのネットで検索して、さがしあてる。


山門を前に見て、右側へ。駐車場をぬけると、墓の名前と位置を記した立て看板がある。そこで「小津」の場所を確認して、墓への坂を登る。小津安二郎の墓は、高いところにある。


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この坂を登って小津安二郎の墓へいく。


前回は、案内板があったせいか、墓には何人かのひとがいて、順番に、墓に手をあわせていた。今回は、わたしひとり。墓に手をあわせる習慣がないので、数枚写真を撮らせてもらう。前回もそうだが、墓にはお酒がいっぱい添えられている。


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「無」とだけ記された小津安二郎の墓。



円覚寺を出て、駆け込み寺で知られている東慶寺に寄る。ここでも、アジサイが咲いている。境内の奥にあるお墓に偶然、「岩波茂雄」を見つけた。確信はないけれど、岩波書店をはじめたひとの墓ではないか、とおもう。東慶寺は、映画、原田眞人監督『駆け込み女と駆け出し男』(大泉洋主演、2015年公開)の舞台になっている。



鎌倉史跡 東慶寺 / 鎌倉ぶらぶら


踏切を越え、アジサイで有名な明月院へいってみる。アジサイで有名すぎるので、もし時間待ちの規制でもあったら引き返そうとおもっていたが、混んではいたが、規制はなかった。アジサイは、ピークはすぎていても、まだそれなりにたのしめた。ひともたくさん出ている。ひととおり境内を歩いて、明月院を出る。



鎌倉史跡ー明月院 / 鎌倉ぶらぶら



あと、途中、閻魔像で知られる円応寺へ寄る。閻魔像のある堂のなかが涼しかったので、暑さを避けて、しばらく休む。すこしへたばっている。



鎌倉史跡ー円応寺 鎌倉ぶらぶら



鶴岡八幡宮では、国宝館で、「薬師三尊及び十二神将立像」を見る。



鎌倉市/鎌倉国宝館【HOME】


出て、池のそばでひとやすみ。池のなかの蓮のうえに、亀がのっていた。


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八幡宮を出て、左手の道にそば屋が2件並んでいた。2件目のほうへはいって、生ビール2杯ととろろ蕎麦で、お昼。暑さをしばしやわらげる。


島森書店で、鎌倉ゆかりの本をチェック。とくにほしいものなし。


鎌倉駅から江ノ電で長谷へいき、長谷寺鎌倉文学館へ寄ろうとおもったら、構内放送で、長谷寺はもう入れませんという放送があって、江ノ電のホームが、ひとでぎっしりひしめいている。これではとても江ノ電に乗る気がしない。長谷方面は、明日に延期。


あきらめて、川喜多映画記念館を見てから、今晩泊まる大船へ移動。予約してあったビジネスホテルでからだの汗を拭いてから、夜の大船の町へ出て、今夜の居酒屋を探す。