11月18日、水曜日。晴れ。
歩いて行ける映画館「イオンシネマ板橋」へ、黒木瞳監督の『十二単衣を着た悪魔』を見にいく。
15時10分から上映がスタート。
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三吉彩花の十二単衣姿(じゅうにひとえすがた)を見ようと出かけたが、映画が、おどろくほど安普請で、びっくりした。やすっぽいセリフ、陳腐な展開。こんな企画がよく通ったとおもう。出ている役者たちが気の毒になる。
三吉彩花ふんする弘徽殿女御(こきでんのにょうご)が、1000年前の女性なのに強い意志をもった女性で、それが現代女性の先取りのようですばらしい、というのがテーマだろうか。
三吉彩花以外、なにもたのしむものがなかった。
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帰り、居酒屋「春日」へ寄る。奥のカウンターへ陣どらせてもらい、さんまの刺身、あん肝、厚揚げをつまみに、生ビール、酎ハイ、ひれ酒、生ビールを飲む。仕上げは、梅茶漬け。
なんどか読んでいる三遊亭圓朝(さんゆうてい・えんちょう)の『怪談乳房榎(かいだん・ちぶさえのき』(速記本)を、Kindle版でひろい読む。
画家・菱川重信(ひしかわ・しげのぶ)の新妻、美貌の「おきせ」が、重信の弟子、磯貝浪江(いそがい・なみえ)の手練手管にあって、ついに夫を裏切って磯貝浪江に靡(なび)いていくさまが刺激的。
夫・菱川重信を尊敬しつつも、悪人とわかりながら磯貝浪江に惹かれてしまう「おきせ」の複雑な心理というか生理を、人間の業として描く三遊亭圓朝の目線がすごい。
話は、磯貝浪江が「おきせ」を独り占めしたい、と考え、逢瀬に邪魔な夫・菱川重信を殺そうと企むところから怪談になっていく。
6代目三遊亭圓生(さんゆうてい・えんしょう)は、この前半の「おきせ口説き」をクライマックスにして、あとの怪談はさわりだけで噺(はなし)をおわらせている。
映画より圓朝の「怪談」のほうがおもしろかった。