かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「うらめしや〜 冥途のみやげ展」を見にいく(8月1日)



8月1日、従妹(いとこ)のEちゃんと息子のNと3人で、東京藝術大学美術館でやっている「うらめしや〜」展を見るため、上野駅公園口、午前11時に待ち合わせる。


少し早めに東武練馬のアパートを出たのに、妻から「山手線がとまっているよ。復旧は午前10時40分の予定」というメールがはいる。


仕方なく、池袋からいったん赤羽へ出て、東海道線で上野へいく。時間ギリギリに間に合った。駅にはEちゃんが待っていて、早く着いて国立博物館にいたNもやってきた。東京藝術大学美術館へ歩くだけでも、容赦なく暑い。


三遊亭円朝の幽霊画コレクションなど、美術に描かれた幽霊が一堂に集められて壮観。ちいさい頃から幽霊映画を好んで見にいったけれど、この10年か15年は、落語で怪談ものを聴くようになった。


原作は、三遊亭円朝、語るのは三遊亭圓生


「怪談牡丹灯籠」、「怪談累が淵」、「怪談乳房榎」・・・。「怖い」というよりは、人間の業を鋭く描いた怪談ばなしの魅力に、はまった。


怪談ものがたりと美術の出会い。人間がなぜ、こういう異形のものに強く執着したのか。


いとこのEちゃんやわたしは、ちいさなころ祖母に寝かしつつけられながら、「怖い話」をしてもらった思い出がある。だから、怪談に親しみがあるけれど、年のずっと若いNは、おそらく怪談とは無縁に成長してきたのではないか。有名な「四谷怪談」のストーリーもきちんと知らないかもしれない。



午後2時から古田亮氏の講演「うらみの美意識 応挙から松園まで」がある。その整理券を午後1時から配布する、というのでその30分前に列に並ぶ。早めにいって正解で、午後1時の配布がはじまったときは、長い行列ができていて、美術館の外にも列が続いていた。


整理券をもらってから、2階の喫茶で喉を潤す。


Eちゃん、Nと最前列の席に並んで、古田亮氏の講演を聴く。幽霊の足がいつからなくなったのか、幽霊画の起源はどこにあるのか、それが時代のなかでどのように変化していったのか、など興味深い「幽霊画の歴史」を、わかりやすく解説してもらった。


Nに貸してあった古田亮氏の著書『特講 漱石の美術世界』がもどってきて、手元にあったので、Nが古田氏に頼んで署名をしてもらった。古田氏は、気持よくサインしてくれた。



帰り、上野駅を超えて、浅草通りにあるそば屋さんへはいる。Nとわたしは、ビールとそば、Eちゃんは、お酒を飲まないのでそばを食べて、駅で別れる。