かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

白井聡著『戦後政治を終わらせる』〜映画『クライ・マッチョ』(1月15日)。

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1月15日(土)、晴れ。



イオンシネマ板橋」へ、クリント・イーストウッド監督・主演の映画『クライ・マッチョ』を見にいく。


早めにアパートを出た。


コメダ珈琲」で、大きいサイズのブラック・コーヒーとモーニング・セット。


白井聡著『戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ』(NHK出版新書)の続きを読む。







本の紹介欄には、

敗戦を否認し続けているために「対米従属」を続けざるを得ない日本。『永続敗戦論』で一躍脚光を浴びた著者が、占領下から55年体制の成立、冷戦後の混沌から現在まで、日本政治の70年を鋭利に考察、近代資本制社会の行き詰まり、排外主義、反知性主義の横行などの世界的な潮流をふまえながら、真の「戦後レジームからの脱却」の道筋を描く。戦後政治を乗り越えるための羅針盤


白井聡は、『永続敗戦論』のなかで、明治維新から戦中までの日本を絶対服従天皇制従属国家」であったとし、戦後はその天皇アメリカ」に代わって「対米従属国家」になったが、国体の本質は変わっていない、と解説する。


明治維新(1868年)〜敗戦(1945年)まで、77年間


敗戦から現在(2022年)まで、77年間


日本は、明治維新から77年、アジア・太平洋戦争にすすみ、天皇制国家」の弊害が爆発した。


戦後、「対米従属」のまま77年が過ぎ、政府は、「アメリカ」の軍事力をあてにして、例えば中国に対して挑発まがいの気炎を吐いている。よせばいいのに「マッチョ」(強い男)を気どっている(笑)。


しかし、あたりまえだけど、アメリカはアメリカの国益のために動く。いざというとき、アメリカがほんとうに日本の味方をしてくれるかどうか、よく考えた方がいい。


ここまで読んでおもうのは、、、


勇ましいことは誰でもいえる。しかし、米中の武力衝突が全面戦争でなくても、局所戦になれば戦場になりやすいのは、両国の間にある日本の国土。


アベ・スガ・キシダの「三バカ・トリオ」(失礼!)による「対米従属」路線がいよいよ末期症状を迎え、再びこの国が大暴発を起こさないか、そんなことを、わたしは心配している。



10時55分からクリント・イーストウッド監督の『クライ・マッチョ』スタート。





www.youtube.com



許されざる者」「ミスティック・リバー」「アメリカン・スナイパー」など数々の名作を生み出してきたクリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデオスターの男が、親の愛を知らない少年とともにメキシコを旅する中で「本当の強さ」の新たな価値観に目覚めていく姿を描いたヒューマンドラマ。




(「映画.com」から)
https://eiga.com/movie/94456/


わたしがクリント・イーストウッドをはじめて見たのは、アメリカのテレビ・ドラマ『ローハイド』(西部劇。アメリカ、1959年放映スタート)


このとき、イーストウッドは、29歳だったが、役柄は頼りない、10代くらいの若造役。


フェイバー隊長(エリック・フレミングロディ(クリント・イーストウッドのダブル主演で、日本でも大ヒットした。わたしのなかのクリント・イーストウッドは、この西部劇のカーボーイ姿が原型になっている。


その彼が、92歳になった。



マイク(クリント・イーストウッドは、荒馬を乗りこなす優れたロデオだったが、落馬事故以来、その名声はむかしのものになってしまった。いまは、むかしの雇い主から細々とした仕事をもらって生活をつないでいる。


その雇い主から、メキシコにいる息子を誘拐してきてほしい、と頼まれる。離婚したあばずれの母と暮らしているが、おれのもとへ連れ戻したい、と。


映画は、イーストウッド演じるマイクが、その少年を連れ戻すまでのロード・ムービー。


少年の母は、息子を連れ戻そうとするマイクを許さず、追手を差し向ける。警察にも追われる。ハラハラドキドキのストーリー。


イーストウッドのシブい演技は『運び屋』を思い出させる。老人なのに、なんかだかすごくかっこいい。


はじめ反抗的だった少年が、次第に彼に惹かれていくのは、イーストウッドを見ていると、ごく自然に感じられる。


酒場のメキシコ女性は、事情を何も聞かず、マイクと少年を追手や警察から助けてくれる。「無償の愛」、といいたいけれど、最初はおそらく困っているひとをほおっておけない彼女の義侠心から。


この女性の登場で、映画がグンと盛り上がる。


少年が相棒にしている「マッチョ」という名の雄鶏(おんどり)も、大活躍する。追っ手にふたりが追い詰められたとき、「マッチョ」が襲いかかって急場を救う。名前通り、雄鶏はマッチョだった。


『クライ・マッチョ』は、いい意味で、むかしの西部劇を見ているような懐かしい味わいのある作品。


わたしには、『ローハイド』でイーストウッドが演じた19歳のロディが、92歳の老人になったように感じられた。






昨夜姉のところへ泊まっていた妻が、映画館のある5階フロアーへ先にきて、待っていた。


映画館を出て、「膳」という個室風の食事処でランチ。わたしは、ホッピーと刺身定食。


「『クライ・マッチョ』よかったよ。見たほうがいい」と妻にすすめる。