映画『ハウス・オブ・グッチ』。左端はアル・パチーノ。ひさしぶりに見た。
1月19日(水)。
「イオンシネマ板橋」へリドリー・スコット監督の『ハウス・オブ・グッチ』を見にいく。
少しアパートを早く出て、「コメダ珈琲店」による。コーヒーとモーニング・セットのトースト。
白井聡著『戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ』をKindle版で読む。
こんな一説が出てくる。ちょっと長いけど引用させてください。
社会革命とは、近代的原理の徹底化を図るということです。近代的原理とは、基本的人権の尊重、国民主権の原理、男女の平等、といったいくつかの基本的な原理であり、それらは戦後憲法にはっきりと書き込まれました。
いま、「永続敗戦レジーム」の主役たちは、戦後憲法を是非とも変えねばならないという妄念にとり憑かれていますが、彼らが敵視しているのは九条だけではありません。自民党が提起した新憲法草案には、右の(ここでは上の)近代的原理に基づく国民の権利をできるだけ制約したいという欲望がにじみ出ています。つまり、彼らは戦後の民主化改革の成果を全部ゼロにして戻そうという欲望を露わにしているのであり、これは言うなれば逆向きの社会革命です。
しかも、国民の多数が妄念にとり憑かれた政党たちを支持している、というどうしようもない現実。まかしている政権がだめならば、わたしたちはちがう選択をすることができるのに。
白井聡氏は、鳩山友紀夫元首相(鳩山由紀夫の「由」を一字改めた)の「友愛チャンネル」でいう。
自民党が腐敗しているのは明らかなことですが、深刻なのは、それを国民がおかしいとおもわない衆愚政治がこの国に定着してしまっていることです(大意)。
この本の随所から、ふだんモヤモヤしている不快感の要因が、だいぶ明らかになった。しかし、わかったところで現実は何も変わっていかない、どころか、わたしたちの選択は、ますます悪くなっている。
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『ハウス・オブ・グッチ』を選んだのは、『パターソン』のアダム・ドライバーと『スター誕生』のレディ・ガガが主演していることから。
しかし、わたしはブランドとかお金持ちの一族とかに関心がわかない。どうでもいい、という感覚が先にきてしまう。
アダム・ドライバーのクールな演技とレディ・ガガのすざましい熱演にひきつけられなければ、途中で映画館を出ていたかもしれない。
欲望にとりつかれたパトリツィア(レディ・ガガ)は、青年御曹司・マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)に強引に迫り、みごと結婚する。世間にいう玉の輿。
パトリツィアは、豪勢な生活を手にいれたが、社交のほうでは、感性も教養も欠如していることが誰の目にも露わになってくる。夫のマウリツィオも、欲望ギラギラだけの彼女へ愛想が尽きてくる・・・。
それと、映画のもうひとつの大きな流れは、グッチ一族の激烈な権力争い。しかし、そっちはわたしの関心がついていかない。
コケティッシュなかわいいパトリツィアが、結婚してから、欲望の化身のような「怪物」になっていく。
レディ・ガガが凄い!
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帰り、ひさしぶりに「日高」へ寄ってみる。夜居酒屋へいくので、お酒もつまみも控えめにする。
白井聡著『戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ』の後半を読む。