1月19日、日曜日。
前日、息子の家族(息子、その妻、赤ん坊)が泊まった。
8時頃起きたら、息子の妻は川越の街まで「パン焼き教室」に出かけていた。赤ん坊(4ヶ月)は妻がミルクをやっていて、息子はテレビで、録画してある『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』(30作目)を見ていた。まだはじまったばかりなのでいっしょに見る。
この作品のマドンナは、田中裕子。寅さんとのカラミよりも、「青年!」と寅さんが呼ぶ、沢田研二との愛の成り行きが中心。たしかに、寅さんが恋するには若すぎるマドンナ。だから、わたしの思い入れが少なく、比較的見ている回数が少ない。
先日、大阪を舞台にした『浪花の恋の寅次郎』(27作目)を見たが、このときのマドンナは松坂慶子。このころの松坂慶子は、ほんとうに美しい。寅さんとのカラミも、情緒があってよかった。それに比べると、『花も嵐も寅次郎』はさっぱりしている。
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午後、息子は赤ん坊を後部座席のベビー用の椅子に乗せて、帰っていった。
わたしたち夫婦は、ネット予約してあった、午後3時からのクリント・イーストウッド監督の『リチャード・ジュエル』を見に、妻の運転で「ウニクス南古谷』へいく。
映画『リチャード・ジュエル』本予告 2020年1月17日(金)全国ロードショー
1996年のアトランタ爆破テロ事件の真実を描いたサスペンスドラマ。
96年、五輪開催中のアトランタで、警備員のリチャード・ジュエルが、公園で不審なバッグを発見する。その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。多くの人々の命を救い一時は英雄視されるジュエルだったが、その裏でFBIはジュエルを第一容疑者として捜査を開始。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/92146/
リチャード・ジュエルは、周囲の空気に迎合しないというか、警備員に求められている職務に忠実というか、いっぷう変わった男。
その彼が警備の途中で、あやしいリュックサックを発見する。彼は職務に忠実に周囲のひとたちを避難誘導する。その手際のよさが、リチャード・ジュエルの個性であり、長所だ。
彼のおかげで、被害者は最小に抑えられ、彼はたくさんの命を救ったヒーローになる。
しかし、一方で彼は第一発見者として、犯人の疑いをかけられる・・・。
ここまでが前段で、あとが本編といっていい。
疑いをかけられたリチャード・ジュエルが依頼したのが弁護士ブライアント。演じたサム・ロックウェルという俳優がクールでかっこよかった。
短い髪型のエリック・クラプトンにちょっと似ているかな。勝手な思い込みかもしれないけど(笑)。
リチャードの母を演じるのは、スティーブン・キング原作、ロブ・ライナー監督の『ミザリー』(1990年)で、人気作家を自分の家に封じ込め、独り占めしようとする怖い女性ファンを演じたキャシー・ベイツ。
この弁護士と母だけが、リチャードの几帳面で真面目な性格を知り、無罪を信じるが、FBIもメディアも世間も、彼を犯人扱いする。
ストーリーだけ説明すると、なんてことないような気がするけれど、映画にみなぎる緊迫感がすごい。
クリント・イーストウッドは、まもなく5月で、90歳だよ。
前作『運び屋』もこの『リチャード・ジュエル』も、スジだけみると、それほどでもないのに、映画を見ていると、テンポのよさに息を呑み、どんどん引きこまれてしまう。
人物が、ハリウッド的な類型にはまらず、個性的。とくにリチャード・ジュエルというちょっと変わった人物の造形が興味をひく。
またも次回作が待ち遠しい監督。
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帰り、「とんでん」というファミリー・レストランへ寄って、牡蠣鍋を食べながら、ハイボールを飲む。