かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画もおもしろいが、原作も抜群!〜瀬尾まいこ『夜明けのすべて』。



2月23日〜25日のあいだ、本は瀬尾まいこの『夜明けのすべて』、映画は、フィンランドの監督、アキ・カウリスマキの旧作を4本見た(「amazonプライム」の配信)。


今回は、アキ・カウリスマキではなく、瀬尾まいこ『夜明けのすべて』を読んだ簡単な感想。



三宅唱監督の映画『夜明けのすべて』を先に見てから瀬尾まいこの原作を読んだ。小説も抜群におもしろい。


全編が、藤沢さんと山添くんのモノローグで描かれている。ほかの人物は、すべてふたりのどちらかの視点で描かれるだけ。


藤沢さんと山添くんへの接近度は、映画とは比較にならない。藤沢さんと山添くんの心の中を、映像表現よりも、小説は詳細に描いている。


藤沢さんと山添くんが勤める「栗田金属」の社長をはじめとする人々は、あたたかくて、やさしくて、接近しすぎない----そういう印象は、映画も原作も変わらないが…。


山添くんのパニック障がいと藤沢さんのPMS月経前症候群)の実態は、映画より深刻だ。


映画で描かれたふたりの症状が軽すぎない?----とおもえてしまうくらい。


後半のストーリーは、映画と原作は、だいぶちがってくる。このちがいの確認も、読むたのしみのひとつ。


瀬尾まいこのこれまで読んだ作品は、どれも軽快でおもしろい。また何か読みたい。