かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2007-01-05から1日間の記事一覧

溝口健二監督『祇園囃子』(1953年)

『祇園の姉妹』や、のちの『赤線地帯』へ引き継がれる、色街に生きる女性たちのものがたり。美しい芸妓の世界を描きながら、溝口健二の眼は、厳しいリアリズムで貫かれています。 人気芸妓の美代春(木暮実千代)は、生活のために芸妓を志望する少女栄子(若…

溝口健二監督『祇園の姉妹』(1936年)

BSの放送では香川京子の短い作品解説が最初につきますが、そこでは「ぎおんのきょうだい」とタイトルを読んでいたようです。「姉妹」の読みは「きょうだい」でよいのでしょうか。古風な色街のなかで、零落した男への愛情を失わない姉梅吉(梅村蓉子 )と、男…

成瀬巳喜男監督『秋立ちぬ』(1960年)

昨年12月、川本三郎著『銀幕の東京』(中公新書)という本を読んだら、これがとにかくたのしい。川、都電、看板、狭い路地など……東京オリンピックの都市改造によって失われてしまった「懐かしき東京」を、昭和20〜30年代の映画のなかに発見していこうという…