かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

石井輝男ワールド

現在、池袋の新文芸座では「追悼・石井輝男特集」を上映中です(11月11日迄、日程の詳細はこちらを参照)。

10月29日に、「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」と「徳川いれずみ師 責め地獄」を見てきました。

■「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」(1969・東映)=写真

ある離れ島に、拉致した人間を外科手術して、「男+女」、「人間+獣」など、さまざまな奇形・合体人間が生息する夢の島をつくりあげた……という、とんでもないグロテスク感覚いっぱいの映画(笑)。

石井輝男というB級映画をテッテー的に追求した美意識が1つの成果を生んだ作品といえますが、とはいっても、このあやしい「見世物小屋感覚」のおもしろさは、ダメな人には、いくら説明してもダメでしょうね。

映画の最後は、兄妹の血縁を持ちながら「畜生道」の恋愛関係をもった男女の肉体が、花火で打ち上げられ、空中で砕け散る(笑)。


■「徳川いれずみ師 責め地獄」(1972・東映

こんなストーリーの説明をしたサイトを見つけました。

◆ 石井監督が乗り出した性愛路線の第6作にして徳川シリーズの1作。

親の借金の方に売り飛ばされた由美。そこはいれずみ女がたむろする異様な売春宿だった。
女主人のお竜はその由美の体に惚れ込むが、由美は主人の弦造に犯されて子どもを孕んでしまう。嫉妬に狂ったお竜は由美に貞操帯をはかせその鍵を弦造に飲ませ殺してしまう。
おりしも江戸刺青競演会の季節。当代切っての彫物師たちが由美の肌で競い合う。いいなりになったようにみせかけた由美だったが、子ども生みたさに死んだ弦造の腹を切り、鍵を取り出すのだった。

あんまり気持ちいい作品ではありません。エロ・グロ映画を、もしシャープに映像化したら……そんな不思議感覚が石井輝男作品です。

この映画では、悪徳を極めた女主人お竜が、画面いっぱいの「股裂きの刑」で身体が裂かれる衝撃シーンで終わります。