かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

高峰秀子他多数「この国で戦争があった」(PHP)

この国で戦争があった
今年は戦後60年ということで、夏頃には、ラジオでさかんに戦争体験者の話を特集していました。1日に何人もが語るという形式ではなく、毎日ある時間に一人一人自分の戦争体験を語る‥‥という番組です。

大東亜戦争が間違っていたか、やむをえなかったか、太平洋戦争は、日本の置かれた立場からは、避けられない戦争だった、とか、時代がたってくると、直接戦争の痛みを語るひとが少なくなって、それが経済政策の1つのように、客観的に語られていたりすることがおおくなってきます。

しかし、そんな大局的な視点からではなく、戦争が本質的にもっているむごさ、勝ちも負けもない、その残忍さは、体験者の言葉がもっともリアルに物語っています。

「この国で戦争があった」も、戦争体験者の文章を1冊にまとめたものですが、書き下ろしではなく、過去にどこかへ掲載したもの、書籍になったものから抜粋したものを集めています。

38人の戦争体験者の証言集。作家、棋士、俳優、映画監督、その他、落語家や元野球選手も入っています。語り手の多くはすでに故人になっていて、戦争を語れる人がますます少なくなっていることを思わずにいられません。

収録されている語り手とタイトルは、こちらです。