伝説の塚本晋也世界同時デビュー作!カルト・エンタテインメント・ムービー[鉄男]。肉体を侵食する金属との壮絶な戦いを、悪夢的映像で描き、世界中を圧倒したサイバーパンクな黙示録。
(「SHINYA TSUKAMOTO」)
どこかで見かけた映画評への好奇心からレンタルして見た作品。ところが、見るなり引込まれてしまった。モノクロ画面(カラーではグロテスク過ぎる)から伝わってくる迫力と緊迫感が半端でない。67分、、、圧倒されっぱなしだった。
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石井輝男の『恐怖奇形人間』のようでもあり、
寺山修司の『田園に死す』のようでもあり、
つげ義春のマンガ「ねじ式」のようでもあり、
あの懐かしく怖かった「化猫映画」のようでもある。
人間が「鉄」に変身していくということでは、カフカの短編小説「変身」のようでもある。
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凝縮された映像は目が離せない。人間の不条理を描く、といっても、映画は、頭の理解や解釈の問題ではなく、結局どのような映像を連続するか、というセンスで良否がわかれる。
これは、映像で描いた最上のパンク・ロックだ。そういえば、この映画は音楽もいい。音楽が映像を素晴らしく煽っている。
上にあげた石井輝男、寺山修司、つげ義春、「化猫」映画・・・にはじめて遭遇したときの新鮮なおどろきと興奮を、久々に味った。
【注】:かなりエロ・グロなのでringoさんにはお薦めしません(笑)。