かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ピーター・ネス監督『モーツァルトとクジラ』(2005年)


モーツァルトとクジラ [DVD]

ドナルドは数学、イザベラは絵と音楽の才能に秀でる一見普通の若者であるが、アスベルガー症候群(知的障害のない自閉症)という障害を抱えている……。対人関係や論理的思考に不具合が生じる混乱に苦しみながらも、純粋な愛を育もうとする男女の実話に基づくピュアなラブ・ストーリー


(「ギンレイ通信」VOL.100)より


ドナルド(ジョシュ・ハートネット)は、自分が普通でないことに自覚的であり、そのために職業をみつけられないことに苦しんでいます。


「なぜ自分は普通でないのか」


ところが、ドナルドがこころを惹かれるようになったイザベルという女性(ラダ・ミッチェル)はいいます。


「どうして普通じゃなきゃいけないのよ。あなたはあなたのままでいいじゃない」


この映画のテーマは、彼女のこのセリフに集約されています。


互いに惹かれあいながら、表現が不器用で反目し、<これでは一緒にやっていけない>と別れを決意すれば、<あのひとなしにはいられない>と思う。


障害をもっているから理解しあえる運命の出会い。そんな映画でした。


ギンレイホールにて