あまりに天気がいいので、会社から散歩する。
■不忍池
不忍池(しのばずのいけ)は、天気がいいので、平日でもたくさんひとが出ていた。池の面が、陽をきらきら受けて、ひかっている。
ボートも出ていた。カップルもいるが、日陰でボートをとめ、寝転んで本を読んでいる青年もいた。
★不忍池も、もうすぐ紅葉の季節になる
きょうの散歩は予定していなかったので、地図のようなものを何も持っていない。何と何を見て、というような目標を決めず、目にはいる路地をでたらめに歩いた。
■知人と出会う
ここからはもう知った道だ。「よみせ通り」から「谷中銀座」へ出る。夕やけだんだんを上り、日暮里駅前、本行寺の前を歩いていたら突然肩を叩かれた。
見ると、前の会社のひとだった。日暮里に住んでいて、これから近所の歯医者へいくところだ、という。20分ほど時間がある、というので、「本行寺」と「経王寺」を案内してもらう。
本行寺は、日暮里駅西口の高台にあり、むかしはここからの眺めがよかったらしい。本行寺から、遠く隅田川や海が続いている……そんな広重の浮世絵を見たようなぼんやりした記憶がある。
しかし、いまは、高い建物がおおく、何も遠くは見えない。そして、東口はいま、さらに高いビルを建築中だった。
「このへんに、昼でも飲める立飲みはない?」と聞くと、
「立飲みではないけど、東口へ降りたらあるよ」と教えてくれた。
歯医者へいくそのひとと別れ、東口の居酒屋へ寄る。午後2時だった。白ホッピーとにごり酒を飲む。