日付は、ポール・マッカートニー来日の前まで遡ります(笑)。
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10月27日、土曜日。「TOHOシネマ上野」へ、宅間孝行(たくま・たかゆき)監督の『あいあい傘』を見にいく。夕方から御徒町で飲み会の集まりがあったので、御徒町駅近くの映画館を予約。
時間より早く着いたので、しばらく不忍池のまわりを散歩する。
晴れて、暑くも寒くもなくて気持ちいい天気。土曜日なので、池の周辺には出店がたくさん出ている。人も多い。ただ蓮の葉が高くのびているので、遠景を見晴らすにはジャマだった。
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15時55分から宅間孝行監督の『あいあい傘』を見る。
生き別れた娘と父の再会を描いた同名舞台劇を、自身の監督・脚本で映画化。25年前に姿を消した父の六郎をようやく捜し出した高島さつきは、父を連れて帰るつもりで小さな田舎町へやって来た。しかし、町を散策していく中で、六郎が苗字を変え、知らない家族と新しい生活を築きあげていたことが明らかになる。さつきは意を決し、父の新しい家族に会いに行こうとする。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/88012/
久しく会ってない父を、娘が探しにいく。父はいま、どこでどうやって暮らしているのだろう?・・・。
大同小異で、こういうストーリーは前にもありそうだ、とおもったら、すぐに2つの映画が浮かんだ。
山田洋次監督の『男はつらいよ 寅次郎の休日*1』(1990年)は、満男の好きな泉ちゃん(後藤久美子)が、母と離婚した父(寺尾聡)を探しにいく話。父は、新しい妻・幸枝(宮崎美子)と穏やかで幸せな暮らしをしている。
成瀬巳喜男監督の『妻よ薔薇のように』(1935年)では、気詰まりなくらい家のことを完璧にこなす妻から逃れて、夫(丸山定夫*2)は、おめかけさんの家で暮らしている。その場所をつきとめた娘(千葉早智子)は、父を連れ帰ろうと向かうが、コタツに寝ころんでゆったりくつろいでいる父の姿をみて、そのままそっと帰ってくる。
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上記の2つの作品は、父が、もうひとつの場所でとても穏やかに暮らしていることで、共通している。そして、この『あいあい傘』の父も、やっぱり新しい場所で幸せな生活をしている。
会社の上役から「死んでくれ!」と頼まれて失踪。突然家族の前から姿を消した父(立川談春)。その父の居場所がわかり、連れ戻しにいく娘(倉科カナ)。しかし、父は、新しい場所で、新しい家族と平穏に暮らしていた。
いまさら、その家庭を壊すこともできない娘は、父と再会しても、ひとりで帰ってくる。
そういう通俗的な人情劇だけれど、脇役の配置もよくできていて、たのしく見ることができた。舞台で、すでによく練られた話だからだろう。
役者では、主演の倉科カナがかわいかった。父親役の立川談春もいい。チャキチャキした日出子を演じた、高橋メアリージュンも笑わせてくれる。
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そのまま御徒町の居酒屋へいく。70年代、わたしが本屋で働いていたときのアルバイトたちの「同窓会」。
いつもはエリック・クラプトンが来日すると集まるが、今回は仲間のひとりが亡くなったので、「偲ぶ会」。最初はちょっと静かだったが、だんだんにぎやかになって思い出話で盛り上がる。なにせ、もう彼らは学生時代からずっと遠ざかって、60歳をこえてしまった(笑)。