かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

オリバー・ヒルシュビーゲル監督『インベージョン』(2007年)



ヒロインは、最近まわりの人間が一夜にして別人になってしまったと感じていた。夫も友人も……。ジャック・フィニィ原作の古典SF小説「盗まれた街」4度目の映画化となる、SFスリラー。


(「新文芸座」のサイト紹介文より)


新文芸座」の紹介文の通り、身近な家族や知人が同じ姿のまま異質な何者かに変身しまう恐怖、を描いた作品です。


こういうテーマはこれまでも見たり読んだりしたことがあるなあ、とおもって、見たあとチラシを読んだら、SF小説、4度目の映画化ということでありました。これって原作の映画化に限らず、「スーパー・ジャイアンツ」とか、「月光仮面」とか、「まぼろし探偵」とか、作品は特定できないですけど、あの頃見た、少年ものの映画やTVドラマにも使われていたような気がします。


ですから新鮮さはありません。ただどのような解決になるのか、というラストへの関心で見ていました(内容は伏せておきます)。しかし、楽しみにしていたわりには、現実的といえば現実的、あっけないといえばあっけない、そんな最後で終わってしまいます。古典SFが原作だから仕方ないのか?


この映画の最大の見どころは、やっぱり主演のニコール・キッドマン。周囲に起こる異常な現象に、怯え、逃げ、闘う……その追い詰められていく表情が異様に美しくて、凡庸な映画であることを忘れてしまいます。