かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

『ユメ十夜』(2007年)

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tougyouさんがこちらで紹介されている作品。10の短編は、統一感はなく、その雑然さを売り物にしているような感じがしました。


原作と比較してみると、美しく神秘的な第一夜は、いじりすぎですし、不気味な読後感を残す第三夜は、同じ話を映像化しているのに、怖いというより、マンガ的(笑)。


原作を離れて一番おもしろかったのは第四夜(清水崇監督)でした。漱石という青年が、講演の依頼を受けて、ある田舎の駅に降りるが、彼をここへ呼んだ肝心の女性がいない。案内のメモ書きだけが、駅の掲示板に記されている。


おかしな村の中を漱石はひとりで歩いていく。すると、次第に村の過去の世界にはいりこんでいく。


現在と過去の交錯する村は、静かなのに、雑然としており、いかにもユメの中のイメージ。突然、頭上すれすれに飛行機が飛んでいったりする光景などは、つげ義春を感じさせます。


各編の、監督・スタッフ・キャスト、話の詳しい紹介は、こちら


【了】