待望の是枝裕和監督の最新作。
10月4日(日曜日)、渋谷のシネマライズで、朝9時20分からの上映を見てきました。
川越から7時30分くらいの急行に乗り、和光市乗換えで、はじめて副都心線の渋谷行きに乗りましたが、和光市で来たのが各駅停車、再び途中で急行を待って乗り換えたりしたら、便利にはちがいないけど、おもったより時間がかかってしまいました。
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男性の性欲処理に消費される<空気人形>(ゴム人形)は、ある日、心を持ってしまう(なぜかということはこの映画のばあい、重要ではない)。
そして、周辺のひとと触れ合っていくうちに、少しずつわかってきたことがある。
男性にとって、自分は、人間女性の代用物であり、実体は、空気で膨らんだだけのからっぽ。それ以上なんにもない。
しかし、周りにいる人間たちも、みんなそれぞれに、心身満たされることなく、虚ろに生きていることが・・・。
人形は、自ら、<燃えないゴミ>のなかへ、静かに自身を横たえていく。
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まず最初に観念的なテーマありき、のせいなのか、『誰も知らない』や『歩いても 歩いても』のように、細部ではっとするような描写がありませんでした。時間が経つと、印象が淡くなりそうです。
人形が心を持ち、それが人間と対照されるという見方も、新鮮さを感じません。ぼくには、<頭でこしらえた映画>という感じがしました。
もちろん、登場人物が全員、なにかを病んでいて満たされていない、という是枝監督の厳しい視点は、甘ったるいご都合主義の映画にはないものだとおもいましたが。
どうなのかなあ・・・どんな名監督も毎回全部が傑作ではない、とおもうし、まだ公開されたばかりで、足を引っ張る評価もよくないとおもうし、もうすこし時間を待って、映画を見たみなさんのご意見を聞きたいような気がします。