- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/09/28
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実在した関西の棋士、坂田三吉の物語。この映画を見る前から、村田英雄の歌や何かで、おおよそのことは知っていたが、はじめてストーリーの断片がつながった。
関西の長屋のセットでは、向こうに通天閣が見える。そこで物語がはじまる。
坂田三吉(阪東妻三郎)は、草履づくりが生業(なりわい)で、隣人は屋台ラーメンをリヤカーを引きながら売り歩いている(俳優は、のちに東映時代劇で悪役を演じる三島雅夫)。明治時代の長屋の貧しさ。
夫の将棋好きで苦労する女房の小春は水戸光子、貧乏のなかで賢く育つ娘の玉江は、三条美紀が演じている。三条美紀が美しい。
ライバルの棋士、関根名人は滝沢修。戦前・戦中の小津映画ではおなじみの斉藤達雄や、若き大友柳太郎(のちの芸風は、阪東妻三郎に似ている)の姿も見えて、うれしくなる。
物語は、典型的な浪花節そのもので、関根八段の名人就任の祝いにかけつけたその場で、小春が危篤になってのラストの盛り上がりなど、いくらなんでもしつこくて、ちょっと気持ちが引いてしまうけど、映画全体はおもしろかった。