かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ロマン・ポランスキー監督『おとなのけんか』(2011年、アメリカ映画)



DVDで見る。


子どもたちのけんかを、おとなの寛容さで、なごやかに解決しようと集まった二組の夫婦が、最初は分別あるマナーで、万事うまくいきそうになりながら、次第に考え方のズレが大きくなっていく。


対立が夫婦同士の単位ではなく、それぞれの夫婦のなかにある確執もあらわになって、4人の集会が乱れに乱れていく・・・というのが風刺が効いていて、おもしろかった。


登場人物は4人だけで、舞台劇が原作。


人間は、自分がこうありたい人物を日常で演じている。で、それが崩れていくとどうなるのか。


次第に、4人のもうひとつの「顔」が剥きだしになっていく。


こういうユーモアがあって、ピリッとした辛味のある作品は、大好き。


ジョディ・フォスターも、ケイト・ウィンスレットも、一筋縄ではいかない女性たちの陰影を、すばらしく演じている。