川越の映画館でやってなかったので、若葉駅の近くにある「シネプレックスわかば」へ、山下敦弘監督の『美園ユニバース』を、妻といっしょに見にいく。
山下敦弘監督は、インディーズ時代からのファンで、『どんてん生活』(1999年)、『ばかのハコ船』(2002年)、『リアリズムの宿』(2003年、つげ義春原作)と、ダメ男を描かせたら、このひとの右に出るものはいないかもしれない。あまりもテッテイしてダメなので、そこからじんわりとしたユーモアが滲み出る。
とくに、この3作のなかでは、『ばかのハコ船』が傑作。脱サラしたダメ男(山本浩司)と恋人(小寺智子)が、健康飲料「赤汁」の販売をはじめる。しかし東京で売れないので、故郷へ帰って、同級生の敷地を無料で借りて青空販売をするが、売れない。
ふてくされるダメ男と、それでもけなげにガンバル恋人のふたりの奮闘が可笑しかった。
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二階堂ふみの出演作品は、何本か見ているけれど、とくに深田晃司監督『ほとりの朔子』(2014年)と、熊切和嘉監督『私の男』(2014年)が印象的。
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この2本は対照的な役柄。『ほとりの朔子』は、大学受験に失敗したフツーの女の子が、海辺で過ごすひと夏を淡々と演じている。ちょっと傷ついた女の子の役。それがいい。
『私の男』は、ひとりの男を異常なほど愛し執着する激しい少女を演じた。愛人・浅野忠信を破滅させるほど強烈な、二階堂ふみの「魔性」に、クラクラする。
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『美園ユニバース』は、記憶喪失の男(渋谷すばる)の記憶が戻っても、やっぱり「しょーもない」男のままだし、男の記憶が戻ったところで、マネージャーのカスミ(二階堂ふみ)との間に恋愛感情が芽ばえる、とか、そういうありがちな展開にはならないのが、やっぱり山下敦弘監督の作品らしかった。
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それから、是枝裕和監督『海街diary』の予告編を、劇場ではじめて見た。映画公式HPでは、すでに見ていたけれど、劇場の予告編でいつやるかいつやるか、と楽しみにしていたので、これはこの日のうれしいオマケだった。
6月13日の公開が待ち遠しい!
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『美園ユニバース』予告編。
https://www.youtube.com/watch?v=Sk-JI0rOyj8