10月31日、水曜日。いよいよポール・マッカートニーのコンサートへいく日になった。午後2時ごろ、アパート「第二極貧荘」を出る。
東武東上線で池袋へ出て、そこから丸の内線で後楽園下車。後楽園駅から東京ドームまではすぐ。ポール・マッカートニーの写真の看板が電柱にあったりして、ライヴへの期待がじょじょに高まってくる。
午後6時半の開演まで時間があるので、ふだんは長い行列ができているグッズ売り場へ寄る。並ばずに買える状態なので、Tシャツを買う。
しばらく東京ドームをぶらぶらしていたら、Tさんから、「○○の前の〇〇に、3人でいます」というメールがはいったので、いく。
Tさん、Lさん、Kさんの女子3名が満杯の喫茶店にいたので加わる。
次いで、わたしの息子もきたが、すわる席がないので、ちょっとドームのあたりを見てくる、といったん消える。
Tさんとは、先日ネットのビートルズ・ファンクラブ「同窓会」をやったとき、幹事をしてもらったので会っている。Lさんは、2004年の新横浜、いまの日産スタジアムのロック・フェスティバルで会って以来。
「前回会ったのは、ザ・フーの初来日ですよね」ってのが、互いの最初の挨拶。名古屋からきているので、東京も名古屋も全部見るんでしょ、といったら、うなづいて笑っていた。
Kさんとは、ZEPP東京(お台場)でのリンゴ・スター・ライヴ(2013年)以来。Kさんは、ビートルズをテーマに、キルトをずっとつくり続けている。
先日、ジョンとポールがはじめて会ったリバプールの教会で、Kさんのキルト作品が展示された、というキルト雑誌の紹介記事をみせてもらったばかり。
みなさん、外観もそれほど変わっていない。
富山から来ているヒロアキさんから、ポールがドームに到着しました、というメールがLさんのスマホにリアルタイムではいってくる。ヒロアキさんは、ドームでポールの到着をいまかいまかと待っていて、それをLさんに、スマホで実況中継しているみたいだ(笑)。
L さんのスマホにポールの到着した生写真が届いたけど、小さくてわたしには顔が見えない。
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4時から居酒屋「笑笑」で、「同窓会」。男子5名、女子4名。ヒロアキさんも、わたしの息子も、ドームからもどってきた。
Sさんの奥さん(以下、S奥さん)から「ひょっとしてきょうポール見にきていませんか」とメールが突然はいったので、「大勢で祝杯をあげてます、こっちへ来ませんか?」と誘う。
S奥さんは店の前まできたらしい。それをマナー・モードにしたままにぎやかにしゃべっていたので着信メールに気づかなかった。S奥さんは、仕方なくドームへもどったらしい。「すいません、メールに気づかなくて」と電話したら、「いいえ、わたしのほうこそ突然の連絡ですみません。もっと早く連絡していたらよかったです」と怒らずに応対してくれた。
午後6時前に「同窓会」は散会。入り口が同じひとたちとドームへ向かう。コンサート会場の前で、少人数で記念写真を撮る。
あとは、席がおなじ息子とアリーナ席へ向かう。
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午後7時前に、ポール・マッカートニーが笑顔で登場した。席はまあまあいい席だけれど、肉眼でポールの顔を見られない。大型スクリーンでポールのアップを見る。
日本語と英語がまじる、いつもの挨拶。英語のときは、スクリーンに同時通訳がはいる。コミュニケーションを大切にして、その国の言葉を覚えてできるだけしゃべろうとするポールの心遣いは毎回のことだが、うれしい。
「A Hard Days Night」からコンサートはスタート。声はむかしのように高音が出ないが、問題ではない。すぐそこに、元気にわたしたちに過去の名作群をいっしょうけんめい届けようとするポールがいる、それだけで胸がいっぱいになる。
ほとんどアリーナ席全員が2時間40分立ちっぱなし。ポールが休まずに歌って演奏しているんだから、こっちも頑張ろうと立っている。
ポールは、マルチ・プレイヤー。ベース、ギター、アコスティック・ギター、ピアノ、オルガン、ウクレレをとっかえひっかえ演奏しながら歌う。「水も飲まない」が有名になったが、休憩もなし。どんどん曲がすすんでいく。
大きさはまちまちですが、写真をアップしておきます。
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以下、10月31日のセットリストをあげておきます。以下のサイトを参考にさせてもらいました。
https://dailysetlist.net/archives/120367
参考までに選曲の内訳を書いておきます。
- A Hard Day’s Night(ビートルズ。原曲は、ジョンとポールがリード・ヴォーカルをわけあっているが、ここではジョン・パートもポールが歌っている)
- Hi, Hi, Hi(ウイングス)
- All My Loving(ビートルズ)
- Letting Go(ウイングス)
- Who Cares(ニューアルバム)
- Come On to Me(ニュー・アルバム)
- Let Me Roll It(ウイングス)
- I’ve Got a Feeling(ビートルズ)
- Let ‘Em In(ウイングス)
- My Valentine(ソロ)
- 1985(ウイングス)
- Maybe I’m Amazed(ビートルズ解散直後のソロ・アルバム)
- I’ve Just Seen a Face(ビートルズ)
- In Spite of All the Danger(ビートルズ、デビュー前の作品。公式には発表されていないが、ずっとあとになって出た『アンソロジー』に収録。レノン=マッカートニー作品)
- From Me to You(ビートルズ)
- Love Me Do(ビートルズ、デビュー曲)
- Blackbird(ビートルズ)
- Here Today(ソロ。ジョン・レノンが亡くなったとき、彼に捧げてつくった曲)
- Queenie Eye(ソロ)
- Lady Madonna(ビートルズ)
- Eleanor Rigby(ビートルズ)
- Fuh You(ニュー・アルバム)
- Being for the Benefit of Mr. Kite!(ビートルズ。原曲では、ジョンがリード・ボーカルをとっている)
- Something(ジョージ・ハリスン作曲。ジョージに捧げる、というコメントがはいる)
- Ob-La-Di, Ob-La-Da(ビートルズ)
- Band on the Run(ウイングス)
- Back in the U.S.S.R.(ビートルズ)
- Let It Be(ビートルズ)
- Live and Let Die(ウイングス)
- Hey Jude(ビートルズ)
Encore:
31.Yesterday(ビートルズ)
32. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)・・・(ビートルズ)
33. Helter Skelter(ビートルズ)
34. Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End(ビートルズ。これまでビートルズがやらなかった各パートのソロ演奏を披露したビートルズ最後の作品)
以上、ポールは一気に駈けぬける。そして、とぼけた顔して「モウ、ソロソロ・・・」っていう日本語で、最後の「Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End」がはじまる。
この画面のあと、「モウ、ソロソロ・・・」の日本語が飛び出す。そして観客の大きなため息。
モウソロソロ Abbey Road Medley/ Paul McCartney 29 April 2017 Tokyo Dome JAPAN ポールマッカートニー
これは前回来日したときのライヴで、「モウ、ソロソロ・・・」(笑)。
最後にきょうはハロウィンだということで、仮面をかぶってポールやメンバーが再登場。国旗をふってお別れ。
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2018年、わたしにとってのポール・マッカートニー公演がおわった。
息子と会場を出る。もより駅の水道橋駅と後楽園駅はひとがあふれているので飯田橋駅までひと駅歩く。
飯田橋駅の屋台ラーメンを食べながらビールを飲む。屋台ラーメンをめったに見かけなくなったので、東京ドーム・コンサートの帰りは、ひとりでもここでラーメンを食べる。
そのあと、息子と居酒屋で飲む。
ジャーナリスト・安田純平さんの拘束・解放について、自己責任だと非難するひとたちがいる。バカバカしい。
彼らが命の危険を賭けて取材してくれなかったら、わたしたちは紛争地の真実を知ることができない。
そのことで、ダルビッシュ投手が反論している記事に息子は感心していて、あとで検索して読んでみて、といった。「ダルビッシュ 自己責任」というキーワードを教わる。
あした朝から仕事の息子は、ひと足早く帰る。それから、もう一軒わたしはひとりで飲める居酒屋を探しにいく。